皆さん、こんにちは。
東京コンサルティングファームメキシコの濱咲克心です。
今週はメキシコの教育に関して記載します。
OECDが行っている”Education at a Glance 2014”より、メキシコの教育状況をまとめてみました。前編と後編の全二編にて記載します。
(出典:https://www.oecd.org/edu/Mexico-EAG2014-Country-Note.pdf)
・15歳以下の学力が向上している
メキシコでは日本と同様、小学校・中学校が義務教育にあたり、PISAと呼ばれるOECD加盟国での学習到達度調査によると、15歳以下の数学的リテラシーが413ポイントであり、前回と比べ、最も増加した国となってます。また、通常数学的リテラシーでは、女性よりも男性の方が高いのに対し、メキシコではOECD平均に比べ、男女差が非常に少ないのが特徴です。
・15-19歳の進学率がかなり低い
メキシコにおいて、最も人口の多い世代である15-19歳の、高校および大学などへの高等教育機関への進学率は53%となっており、かなり低い水準です。2000年と比べ11%アップはしてますが、ほかのラテンアメリカ国と比べると、アルゼンチ:73%、ブラジル:78%、チリ:76%となっており、OECD加盟国内においてメキシコより低い国は、コロンビア:43%、中国:34%の二国のみとなっております。
・15-29歳は就学よりも就業における時間が長い
15-19歳の進学率の低さには、就業時間の長さという背景があります。15-29歳は、平均5.3年間就学やトレーニングに費やすのに対し、就業には平均6.4年間費やしてます。つまり、学校に行くより仕事をする人が多く、結果として高等教育機関へ進学しない、そういった人口割合が他国と比べ、高いというのが現状です。
・総括
年少者の学力自体は向上しており、識字率や単純な計算などであれば誰しも問題ありませんが、そこから次に進む者が非常に少なく、一部の者のみ高い教育を受け、結果として最低賃金の低さ、大きな格差社会を生み出しているように感じます。
次回も引き続き、メキシコの教育に関してご紹介します。