メキシコ進出エリアの州別比較 3/3

皆さん、こんにちは。
東京コンサルティングファームメキシコの濱咲克心です。
今週はメキシコ進出エリアの州別比較に関して記載します。
第一から第三部までの全三部にて記載します。

メキシコではついに、日本企業が今年2016年内に1,000社を超える見込みであり、進出企業が続々と増加しております。特に、メキシコ全体の新規進出企業の約90%が、多くの自動車関連企業が存在する「バヒオ地区」へと進出しております。しかしながら、人気な地区であれば、工業団地や日本人駐在員向けの住宅も少なくなり、新たな進出先となる州を探している企業も多いとお聞きします。そこで、今回はバヒオ地区を中心に、少し離れた周辺地区もご紹介していきます。

ヌエボ・レオン州
メキシコ北東部に位置する51の自治体を持つ州であり、州都はモンテレイ市です。州の面積は64,742㎢(31州中13位)であり、州の人口は511万人(31州中8位)です。
州都のモンテレイ市はメキシコ第三の都市であり、州人口は110万人、都市圏を合わせると約380万人を超えます(2015年時点)。メキシコ北部に位置し、比較的アメリカ合衆国との国境に近く、その立地を活かし、近年外資企業が数多く進出しております。
国際空港などのインフラも整っており、また大学も多い為、優秀な人材の確保が可能な地区です。一方、2016年2月にはモンテレイの刑務所で暴動が発生し49名が死亡するニュースがあったばかりであり、依然として他州と比べ治安が悪い地区でもあるため、人材採用時には麻薬組織との関係など、留意が必要です。

バハ・カリフォルニア州
メキシコ最北に位置する5の自治体を持つ州であり、州都はメヒカリ市です。州の面積は69,921㎢(31州中12位)であり、州の人口は331万人(31州中14位)です(2015年時点)。北部をアメリカ合衆国のカリフォルニア州と接し、西は太平洋に接しています。主な産業は観光などで、特にティファナは、アメリカのカリフォルニア州から車で2時間、サンティアゴからは15分程度の距離となっています。
ティファナは、人口164万人の州最大都市です。アメリカ合衆国との国境に面しているため、外資系大企業の工場も多く、また労働人口も安定して伸びています。職種としては、工業作業員が最も多く、次いでサービス業を従事する者が多いです。但し、ヌエボ・レオン州同様、麻薬組織が数多く存在する地区ですので、治安面での懸念はあります。
バハ・カリフォルニア州には、エル・フロリド工業団地やラメーサ工業団地など、計40を超える工業団地があり、他州と比べ、インフラも整った労働環境といえます。

総括
メキシコ中央、バヒオ地区から、その周辺地区の各州を比較して参りました。北部地区での治安の悪さは目立ちますが、最近では治安が良いと言われている中央地区、特に邦人が増えている地区での置引き、車上荒らしなどの犯罪が急増しており、どこであれ、注意が必要になっております。
2015年のメキシコの自動車産業の推移を数字で表すと、生産台数339万台(前年比+5.6%)、輸出台数275万台(前年比+4.4%)、国内販売台数135万台(前年比+19.0%)となり、いずれも過去最高の数字となっております。輸出に関しては従来の北米への輸出だけでなく、南米への輸出台数も増えていること、そして、国内での販売台数が伸び続けていること、これら二点が現在のメキシコ自動車の売れ行きの特徴であり、従って、さらに生産台数が増えていく見込みです。2019年にはトヨタ自動車の新工場がグアナファト州にて稼働予定であり、これからさらに多くの新規企業の進出が続くメキシコで、どの州が最も適しているか、今後の進出のご参考になれば幸いです。

 

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