マレーシアの社会保険制度①~EPFって何ですか?~

 

平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
東京コンサルティングファームの佐々木で御座います。

本日はマレーシアにおける年金制度についてご紹介致します。
マレーシアにおいては、年金制度は大きく分けて2種類存在します。

 

1.従業員積立基金制度(EPF)
2.公務員年金制度

それぞれ、根拠とする法令が異なり、対象が公務員か民間被用者かで、
対応する年金制度が異なります。

このブログをご覧になっている皆様につきましては、民間企業でお勤めになられている方が多いかと考えておりますので、EPFを中心にご紹介させて頂きたく存じます。

 

従業員積立基金制度(EPF)
【目的】
民間企業従業員の退職後の老齢所得保障(≒日本の年金制度)

【仕組み】
①従業員の個人口座をEPFに開設
②従業員、使用者双方が支払賃金に応じて積み立てる
⇒制度の基本が個人口座への積立金であることから、人口の高齢化に直面しても若年世代に負担をかけない財政的に安定した制度と言われています。

【対象者】
・民間企業従業員
・自営業者(任意加入、使用者の拠出金なし)
・家庭の主婦など(任意加入、使用者の拠出金なし)

【根拠法】
1991年従業員積立基金法(Employees Provident fund Act 1991)

 

【EPFへの拠出金(積立金)】
民間従業員の場合

 

自営業者等の場合
政府:拠出額の5% 相当額(年間最大60 リンギ)
本人:任意の額(50リンギ~)

外国人労働者の場合
使用者:月額5 リンギ
被雇用者:月収の11%
※いずれの場合も、被用者本人が定められた額以上を拠出することが可能。
使用者拠出は税控除の対象(給与総額の19% 相当まで)となります。
※被用者側もEPF 拠出と生命保険料とを併せた最大6,000 リンギまでが税控除の対象となります。

 

【支給開始年齢】
原則:55歳で全額引き出すことが可能。
例外:55歳以前でも以下の場合は引き出しが可能となります。

①住宅購入目的で積立金の30%
②医療目的で10%を引き出すことが可能。
③50歳になった時点で積立金の3分の1を任意の目的で引き出すことが可能

 

【加入期間】
55歳以上の従業員のEPFへの拠出は任意であり、
75歳までEPFへの拠出を続けることが可能でございます。
※負担率は月額賃金の従業員5.5%、使用者6.5%の計12%と55歳未満の約半額となる

 

【特例措置】
毎月の固定収入が無い自営業者
例)タクシー運転手、農業・漁業従事者など
拠出金の運用配当の他に、年60リンギ以上の拠出を条件に5%の政府負担金(最大年60リンギ)が上乗せされます。
条件:月額50~500リンギの範囲で任意に選択した金額を拠出すること。

 

以上となります。
最後までご覧いただきまして、ありがとうございます。
弊社では法務関連を各種サポートもさせて頂いております。
上記のような例に限らず、ご不明な点やご相談がございましたら、
いつでもお問い合わせ頂ければと存じます。
どうぞ引き続き何卒よろしくお願い申し上げます。

 

 

東京コンサルティングファーム
佐々木 海翔

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