インド人社員の離職率を抑える②

労務

 こんにちは。Gurgaon事務所の仁井いずみ(ニイ)です。インド人社員の離職問題についての2回目です。離職率を抑えるためにはインド人社員にとってのメリットを伝える必要があります。それが真のキャリアアップです。

【真のキャリアアップに必要なこと】

上記ポイントを通じて会社がインド人社員に伝えるべきことは、キャリアアップするためには、リーダーシップやマネジメントスキルが必要ということです。ロジックは以下の通りです。
1. リーダーシップやマネジメントスキルで社内や社外への改善を図り、新サービスを作る。
2. 組織が活性化し、良い会社になる。
3. 会社としてのサービスが向上し顧客に評価される。
4. 顧客から高いサービスフィーを得られる。
5. 会社に利益が残る。
6. 昇給・昇格できる。

 昇格への道筋は「新しいサービスを作る」といった、社員から会社や顧客への価値提供から始まるのであり、その原動力がリーダーシップやマネジメントスキルになります。インド人社員には昇給や昇格を期待する前に、どうすれば昇給・昇格を得られるのかを考えさせることが重要です。

会社は社員に対して、リーダーシップやマネジメントスキルを発揮しやすい良い職場環境を作る必要があります。良い職場環境とは、①規律ある職場、②楽しい職場、の2つを兼ね備えていることで初めて実現されます。以下でそれぞれの特徴を見ていきましょう。

【良い職場環境作る①-規律ある職場-】

まずは規律ある職場の構築です。会社のビジョンを達成するためには皆が誠実で道徳ある行動をとり、団結する気持ちをもって業務を行うことが求められます。社内ルールを作り、インド人社員に運営させることがポイントです。例えば、出社時間10分前に出社するというルールの場合は出社時間ぎりぎりに来た社員に対してインド人マネージャーやHRからしっかり注意させます。インド人は素直なところがありますが、日本人の感覚は理解できません。だからこそ「ダメなものはダメ」とはっきりと伝える必要があります。またそれをインド人社員から伝えさせることで注意する側とされる側へ同時に意識付けさせることができます。その結果、上司と部下が馴れ合いになることなく、節度を持った関係性を維持することが可能となります。

【良い職場環境作る②-楽しい職場-】

次に楽しい職場ですが、インド人はイベントを好む方が非常に多く、それはビジネスの場においても例外ではありません。例えば業務に関わる表彰やコンテストを実施したり、ゲームやスポーツを企画したりすることで、社員にとってより「働くのが楽しい職場」となっていきます。「規律ある職場」で作ったルールと「楽しい職場」を併せた事例があります。「Attendance Contest」です。毎月の遅刻者ランキングを作り朝礼で発表します。同時に最も早く出社した社員も表彰します。それによってゲーム感覚で遅刻はいけないと伝えることが可能です。現にインド人社員が楽しそうに表彰を行い、遅刻も減ったという実績を残しています。

社員が退職の意を示した日の翌日には出社しなくなるケースがままあります。同じようなことをしたインド人に理由を聞いたところ、「会社は自分のことを何も考えてくれていない。その会社に対して誠意をもって対応する必要はない」と言っていました。当然個人の特性に因るところもありますが、こうした事象が起きてしまう職場では、会社が社員のことを思いやらず、社員が忠誠心を抱きにくい職場環境となっている可能性があります。「規律ある職場」と「楽しい職場」は社員の成長を思いやり、それを通して会社が発展していくためにあります。日頃から社員が「この会社は厳しい面もあるが働くのが楽しい。」「リーダーシップとマネジメントスキルを磨かなければ。」と思ってもらえるような風土作りが必要となります。

以上

  

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