インドの予定納税制度

税務

どうもこんにちは。増田です。

あっという間に9月も半分過ぎましたが……デリーでは、相変わらず雨模様が続いています(インドに来て一か月以上経ちますが、晴れの日はほとんどない状況です)。

さて、先日9月15日(土)は、個人と法人の予定納税期日となっており、当社の全てのクライアントについても、連絡、確認、税額計算等を行いました。
インドの場合、個人・法人の決算時期が一律で3月31日となっているため、予定納税の時期も毎年一定の時期となっています。
このインドの予定納税制度については、日本の「中間申告制度」と本質的には似ていますが、いくつか違いが見受けられます。法人の場合を例にとって見てみます。

<日本とインドの中間申告・納付制度の相違点(法人)>
①日本の場合「中間(予定)申告」として、基本的に申告書の提出と納税がセットで必要となるが、インドの場合、日本と違い「申告」が不要で、自主的に納付すべき税額を計算し、納税のみとなるため、「中間申告」ではなく「予定納税」と呼ばれている。
(ちなみに、日本では「中間(予定)申告」と呼ばれますが、税法上、申告書を提出しなかった場合には、「提出したものとみなされる」とあり、税務署が計算した金額を納める場合には、中間申告書の提出は不要となります。)
②中間の回数について、日本では年間1回(半期での申告)に対して、インドでは年4回の予定納付が必要となる
③日本では申告・納税期日が休日・祝祭日である場合には、その翌日が申告・納税期日となるが、インドではそれは無く、納付期日が休日・祝祭日である場合にはその前までに納税が必要となる
④日本とインドの一番大きな違いは、納付すべき税額の計算方法で、

●日本:半期での実際の納税額又は前期の納税額の6/12のいずれかを納付
※納税者側が有利な方を選択することができますが、納税額に大きな乖離が無い限り、申告の手間・コストを考えると、よほど前期と比べて売上、利益が減少などの理由が無い限り、あまり選択されない形となります。
●インド:年間で納付すべき税額を見積もり、その税額のうち一定割合を年間4回で段階的に支払っていく形となります。

次に、インドの予定納税制度のポイントを法人と個人との比較で見ていきたいと思います。
①納税時期と納付税額

法人 個人
期限 税額 期限 税額
6月15日 年間見積税額の15%まで
9月15日 年間見積税額の45%まで 9月15日 年間見積税額の30%まで
12月15日 年間見積税額の75%まで 12月15日 年間見積税額の60%まで
翌年3月15日 年間見積税額の100%まで 翌年3月15日 年間見積税額の100%まで

個人・法人ともに、上の表の所定の時期に年間で納付すべき税額を見積もり、その見積税額が10,000Rs以上である場合には、法人の場合は年4回、個人の場合は年3回の予定納税を行う必要があります。もし、最終的に確定した税額(申告した税額)と3月15日までに予定納付した税額に一定額以上の差額が発生している場合、ペナルティ(利息)が発生してきますので注意が必要です。

②法人の場合は、基本的に全ての法人につき、各年度において10,000Rs以上の納付税額が発生すると見込まれる場合に上記予定納税が必要となりますが、個人の場合は、給与所得のみの人は予定納税の対象とはならず、毎月のTDSと年度末の確定申告となります。それ以外の個人が、予定納税の対象者となります。

日本であれば、税務署が自動で税額を計算し、申告関連の書類を郵送してくれますので、その金額を支払っていれば問題ないのですが……。インドの場合は、納税者側が計算するのが大原則で、さらに(見込み)間違いがあると、利息まで取られてしまう、という、厳しい制度となっています。

次回は、インドの予定納税のさらに細かい規定と注意点について見ていきたいと思います。

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