インドにおける株主

法務

インド会社法上、株主とは、間接有限責任のもとで企業の社員(Member)たる地位を示す株式を所有し、自益権と共益権をもつ者
と定義されます。インドでは、組合(Partnership)は法人格を有しないので株主となることはできませんが、個人も法人も株を保有する
ことができます。自益権とは、企業から経済的利益を受ける権利です。共益権とは、企業の管理運営に参加する権利です。
会社法で、非公開会社の株主数は2 人以上、公開会社の最低株主は7 人以上、1 人会社の最低株主は1 人以上と定められています(3
条1 項)。
2 0 1 3 年会社法では、株主が1 名以上から設立できる「1 人会社」が認められましたが、設立可能な者が「インド国籍を保有し、且つインドに居住する自然人」に限定されていることから、日本企業を含む外国企業がその完全子会社として1 人会社を設立活用することは不
可能です(2 条62 項)。しばしば、日本企業がインドに1 0 0% 子会社を設立したとアナウンスしていますが、これは、親会社である日本企業が9 9%、日本企業の役員や関係会社が1%(または1 株)を保有しているなど、名目的に株式数の要件を満たしているにすぎません。
つまり、実質的な1 0 0% 子会社を設立する場合には、1 株を除きすべてを親会社となる会社が保有し、残り1 株を関係会社が保有するといった方法を取る必要があります。

関連記事

ページ上部へ戻る