買収対価-恋は盲目-

グルガオンオフィスの今西です。

 

私は、未婚です。したがって、インド人会計士と話している時に「M&Aは結婚みたいなものだ」と言っている事に対して、なるほどという納得はするものの、実感として理解できるものではありませんでした。

 

ただ、感覚的には結婚相手と結ばれるに当たっては、ある種のプレミアムが付くと思います。それは「愛」だと思います。相手に対して愛情を持つが故に、多少の短所や難点も可愛いと思えたり、個性だと思えたりするのでしょう。そう「恋は盲目」なのです。

 

では、その結婚に例えられるM&Aではどうでしょうか。M&Aにおいてもプレミアムが買収対価に乗る事はいくらでもあります。代表的なものはコントロールプレミアムで、ざっくり言えば、支配権の獲得にあたって少し多めに買収対価を支払うといったものです。また、過大な投資をしてしまうケースも考えられます。例えば、NTTドコモによるAT&Tワイヤレスの株式取得がその例だと思います。もちろんこのケースでは議決権比率が16%と筆頭株主とはいえ、中途半端な比率しか握っておらずAT&Tの他社への身売りを防げなかったことや、システムトラブルによってAT&Tの顧客が他社に流出した等の不運が続いたことも原因としてありますが、11425億円という多額の出資に対して16%の議決権しか握れないということであれば、過大な投資と言えるのではないでしょうか。

 

実際に、当事者になってみれば事業に対する思い入れや相手方との関係、また「ここまでやってきたのだから、ディールをまとめたい」というディールそのものへの思い入れ等でなかなかディールをストップさせるという決断は獲りにくいと思います。しかし、そこは冷徹に決断をしたいものです。

 

私自身のM&A(結婚)についても、真剣に考えないといけない年齢に来ていますが、焦って失敗しないようにしたいものです。しかし、慎重になりすぎるあまりチャンスを逃すと後悔しそうです。やっぱり、M&Aを結婚に例えたインド人会計士の発言は「言い得て妙」なのかもしれませんね。

 

以上です。

 

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