本社人事制度をインドに当てはめる⑤

労務

 こんにちは。Gurgaon事務所の仁井いずみ(ニイ)です。今回は職務記述書と職務分掌についても触れていきます。

 インド人の仕事に対する考え方日系企業文化は異なります。主な点を以下にあげます。
・自分の仕事を限定し関連しない業務は断る
・業務を行うことが自分の評価につながると考え部下を教育しない
・部署間のセクショナリズムが強い

 インド文化が日系企業文化と異なっていたとしても品質を維持するためには日系企業文化をインド人に理解して業務にあたらせる必要があります。そのためのツールが職務記述書と職務分掌です。

 職務分掌ではあるべき社員像を明確にする意味がありますので、職務態度や理想の行動などを明記します。成績が良いだけではなく職務態度や他人へ良い影響を与えることが評価につながると認識させます。

インドに当てはめるポイント

・職務記述書
 職務記述書で業務の洗い出しを行い各担当へ振り分け、各シニアのチェック業務を決定します。

 インドで起きている問題の一つが、マネージャーが業務を行っておりチェック機能を果たしていない、そのためマネージャーに辞められたら業務が回らないというものです。これでは部下が育たず、非効率的な業務の進め方から人件費ばかりかさむということになります。

 もう一つの問題がインド人の生産性が悪いということです。会社が大きくなってくるとマネージャーから人が足りないと言われ増員するケースが多いですが、誰が何の業務を行っているのか、本当にそれだけの人員が必要なのかが不明確となります。

 職務記述書で業務を明確にし、作業を行う者、それをチェックする者を決めることで推定作業時間内に業務を終わらせる基礎をつくることができます。マネジメントはチェックする者(シニア、マネージャー)が作業を行っていないか定期的に監視します。

 インド人の業務内容を決めただけでは生産性は向上しません。時間内に業務を終わらせるという意識が高いとは言えず、平気で業務を翌日に持ち越します。それを報告することもありません。それに対しての指摘は日々行う必要がありますが、ツールとしてタイムシートなど業務時間を測れるツールを導入することをお勧めします。職務記述書で明確に振り分けた業務に対してどれくらいの時間を割いているのかグラフ化して明確にすると改善点が見えてきます。

 次回は職務分掌について具体的に見ていきます。

以上

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