ジョイントベンチャー(JV:合弁企業)について

こんにちは、TCFインド・バンガロール駐在員の岩城です。  

日頃、お客様から寄せられる質問等につきまして、Q&A方式で回答させていただいております。

Q.現在当社は独資100%でインドへ進出していますが、今後の更なる事業拡大の為に、ジョイントベンチャー(以下:JV)も検討しています。メリットデメリットを教えて下さい。

A.

メリット

メリットとしては、やはりJVパートナーの有形無形資源(販路・顧客・用地・人材網)を活用し、迅速な事業拡大が期待出来る点です。

製造業であれば、調達・物流・販売及びアフターサービスネットワークをうまく活用出来れば、独資に比べて短期間で市場に入り込む事が可能と言えます。

又、進出5年以内の独資進出日系企業が直面する問題点として「製品やサービスの現地化」以外には「総務・経理」といった内部制度の問題が常にあげられます。JVであれば、この様な問題を回避できる可能性が高いといえます。

 

デメリット

一方で、JVを解消する企業も後を絶ちません。最終的にJV解消に至った企業の問題点としては、①中長期的戦略の不足②パートナーありきの経営(進出)計画等があげられます。

JV契約締結前の評価と実態が大きく異なる、経営方針について相違が発生する、又はパートナー側経営者交代により経営方針の不一致が発生する等、結果として機動的な会社運営が難しくなる場合があります。

 

考察

よって上記を踏まえた適切なパートナー探しと、事前の詳細な取り決めが、JV成功の鍵となります。将来的にJVが解消される可能性がある事を、締結前の段階から認識した上で、事前に準備をする事が非常に重要です。

具体的には①経営についての理念や経営権についての詳細な取り決め②担当事業領域③意向が異なった場合の判断決定方法等、特に③について詳細な取り決めを事前に行っていなかった為に、実際に行いたい事業及び制度の構築に関して一切話が進まなくなるというケースもありますので、入念な準備・確認・決定が必要です。

日系企業の直近の設立形態としては、単独出資志向が強まっています。2012年「在アジア・オセアニア日系企業活動実態調査」 によると、進出10年以上の企業は、全体の48.1%が単独出資なのに対し、5~10 年の企業で65.8%、5 年以内の企業で80.5%という結果が出ています。又、進出年が早い日系企業程、JV会社の株式シェアを増加させる傾向があり、逆に進出年が遅い日系企業程、単独独資での進出が増加しています。

 

これらは長年の経験を通して、日系企業が独資でもインド市場での事業経営に自信をつけてきたと見ることも出来ますし、同時にJV経営の難しさの結果とも言えます。いずれにしても、それぞれの企業における理念や経営方針に合った、パートナーの選択、及び入念な計画が重要となりますので、専門家へご相談の上検討される事をお勧めします。

 

ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

 

 

 

東京コンサルティングファーム

インド・バンガロール支店

マネージャー

岩城 有香 

 

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