インド・グルガオン駐在員の豊田です。
前回に引き続き、利益の見える化についてお伝えする予定でしたが、今週はインド国民にとって非常に重要なデワリというイベントがありますので、このことについてお話ししたいと思います。
このデワリというのは、ヒンドゥー教における大晦日にあたる時期に、新年を迎えられたことをお祝いするイベントです。各地では、いたるところに電飾で煌びやかな飾り付けがなされ、街中では爆竹の音がなりやまず、またショッピングモールなど人の集まるところでは歌ったり踊ったりと、いわゆる祭りのような状態になっています。
ビジネスの場においても、大概のインド人が各企業のデワリとして設定した公式休日の前後に休暇を取り、約1週間前後の間お休みを取る方が多いようです。また、郵便や交通機関が運休しているケースも少なくなく、この時期に郵便を出す場合には、通常の倍以上の時間がかかってしまうことも珍しくないようです。
加えて、このデワリに合わせて行政機関、お取引様、インド人スタッフに対して贈答品やボーナスを送ることが慣例となっています。
私自身、インドに赴任して約1か月が経ちます。このデワリというイベントを知ったのは、つい最近のことでした。デワリを初めて知った時には、日本でいう、お中元やお歳暮と似た印象を受けたのですが、今では日本人にとってのそれらより、インド人にとってのデワリの方が非常に貴重なものとして受け止めていると感じます。
日本では「グローバル化への対応力が今後のビジネスの分岐点だ」という声が大きくなってきましたが、世界がグローバル化すればインドにとってもその影響は当然ながら出てきます。このデワリは、インド人にとってのイベントですので、他の国では、通常通りの平日であり、大抵の企業は営業を行っています。この際にビジネス遅延が発生しうるリスクが存在してしまいます。
他の国、特に文化圏の異なる国において、ビジネス展開を考えていらっしゃる皆様におかれましては、こういった文化面についても配慮したうえでビジネス戦略をとることが必須だなと感じました。
Tokyo Consulting Firm
グルガオン駐在員
豊田 英孝