前回のブログにおいて、インフレ要因を整理しました。一言でいえば、供給不足によって旺盛な需要を吸収しきれていないということです。電力不足は深刻なようで、かくいう私も2日間ほど社宅の電気が停電しており、このブログも実は近くのホテルで書いています。前から一度は宿泊してみたいなと思っていたので、停電をきっかけに思い切って泊ってみたという次第です。
さて、今回はこの供給不足に対しての有効な対応策を考えてみたいと思います。普通に考えれば、国家予算を投じて大規模な工事を行い、発電所を作ったり、道路を作ったりするという事が思い浮かびます。しかし、財政赤字が深刻化している折にそのような大盤振る舞いはできません。直近では供給不足が改善されると考えることは難しいと思います。
その場合には、旺盛な需要を多少冷え込ませることも考えなければなりません。その為にRBIはせっせと金利を上げているわけですが、その成果は芳しくないです。そこで、考えられるのが増税です。現在、日本でも野田政権で増税を行うという方向性で動いているようです。あるマクロ経済学者の方の記事を読んでいると日本は3.11の地震をきっかけに供給力不足に陥る。そして、復興投資にともなう需要を賄いきれない。したがって、今は経済を冷やす時であるという趣旨の記事が載っていました。それには増税が有効であるとも記載されてありました。今のインド経済と理由は全く違いますが供給不足という点では共通しているように思います。そこで、タイトルを増税にしたわけです。また、インドのように好景気の折に増税した場合には、税収アップにつながり赤字の解消にも寄与すると考えられます。
では、どのような層の、どのような種類の税金を上げれば良いのかという議論ですが、個人所得税の見直しを行い、課税対象を増やし中間層向けの課税を若干重くするということが考えられます。可処分所得の減少によって、景気を冷え込ませるということです。実際はラチェット効果が働き、それほど大きな消費の減少にはつながらないと思いますがヒートアップするインフレ率に対して、一定の歯止めをかけることが可能となると思います。ただ、具体的に、何パーセント税率を上げるのか、どの所得層まで課税範囲を広げるのかという点についてはより詳細な検討が必要となる事は言うまでもありません。時間があれば、深く掘り下げて検討してみたいテーマだなと思います。