経済成長著しいインドでは、将来有望なユニコーン企業の増加、アマゾンやネットフリックスなど米大手企業によるインターネット市場の参入など、皆さんの中でも経済面で明るいニュースが絶えない印象を持たれている方も多いと思います。
しかし、そのような明るい未来への責任を担う、中央銀行のインド準備銀行に関して
その経営に懐疑的な見方が近年出てきております。
その経営欠陥の指摘を受けている原因は、「不良債権」にあります。
不良債権化した大口融資の借り手:メーカー・電力会社・インフラ建設会社
不良債権化した理由:①巨大投資への見通しの甘さ
②政府による積極的な貸し出し
この問題を受け、2015年には一部銀行への検査の厳格化、16年に「破産倒産法」施行による企業の倒産処理の円滑化、17年には2.11兆ルピーに及ぶ資本注入の対策が講じられました。
これらの機動的な対応により、金融システム不全は回避されているものの、
貸出は低迷し続けています。
中央銀行の経営統治改善には、政府からの不当な干渉を受けない、経営の正常化が求められています。
塚本 沙樹