お世話になっております。東京コンサルティングファーム インド拠点の加部 新(かべ あらた)です。日頃ご愛顧頂いている皆様へ有益な情報をお届けします。ご質問などございましたらお問い合わせ下さい。
先月報告された利益が今月見ると変わっている
インド法人の月次会計を管理していると、日本本社へ先月報告した売上や利益の数字が、翌月になって確認すると変わっているケースがあります。
例えば、6月の月次PLでは利益が100万ルピーだったにもかかわらず、7月に同じ6月のPLを出力すると90万ルピーになっている、といったケースです。
もちろん、必要な修正仕訳を行った結果として数字が変わること自体はあります。
問題なのは、「なぜ変わったのか」が管理されていない状態です。
インド現法で過去月の数字が変わる主な原因とは
原因の一つとして、請求書や経費精算などの会計処理が翌月になってから追加されることがあります。
例えば、6月に発生した外注費の請求書が7月に経理担当者へ届き、それを6月の日付で記帳すれば、当然6月の利益は変わります。
また、減価償却、未払費用、前払費用など、月次決算時に必要な調整仕訳が後から追加・修正されることもあります。
つまり、会計システム上で過去の日付への入力を認めている場合、一度報告した月次数字であっても後から変わる可能性があります。
本社報告では「会計上の正しい数字」だけでは不十分
会計上は、後から判明した取引を適切な期間へ反映することが必要な場合があります。
一方、日本本社の経営管理という観点では、「最新の数字が正しい」というだけでは十分ではありません。
先月の会議では利益100万ルピーとして説明していたにもかかわらず、翌月には90万ルピーになっていれば、本社側からすると「10万ルピーはなぜ変わったのか」という疑問が生じます。
したがって、過去月を修正する場合には、修正前後の金額と修正理由を説明できる状態にしておくことが重要です。
インド法人の月次決算には「締め日」を設ける
このような問題を防ぐ方法の一つが、月次決算の締め日を明確にすることです。
例えば、「翌月5営業日までに前月の会計処理を完了する」と決め、その時点で月次PL・BSを確定させます。
経理担当者だけでなく、営業、購買、人事などにも請求書や経費情報の提出期限を共有しておくことで、後から大量の仕訳が追加されることを防ぎやすくなります。
月次決算は経理部門だけで完結するものではありません。
各部門から必要な情報が期限内に経理へ集まる仕組みを作ることが重要です。
月次決算を締めた後は絶対に修正してはいけないのか
締め日を設けたからといって、過去月を絶対に修正してはいけないわけではありません。
重要なのは、修正を「見える化」することです。
金額的に重要な誤りが判明した場合など、修正が必要になるケースは当然あります。
その場合には、いつ、誰が、どの仕訳を、どのような理由で修正したのかを記録しておくことが重要です。
また、日本本社へ既に報告済みの数字に影響する場合には、修正内容を本社側にも共有する必要があります。
毎月同じ基準で月次決算の数字を作ることが重要
月次決算で最も重要なのは、毎月同じ基準で数字を作ることです。
ある月は未払費用を計上しているのに、別の月では計上していないという状態では、月ごとの利益を正しく比較できません。
減価償却、給与、監査費用、専門家報酬などについても、毎月どのような基準で計上するのかを決めておくことで、月次PLの比較可能性が高まります。
月次決算の目的は、単に帳簿を完成させることではありません。
「先月と比較して何が変わったのか」を経営者が判断できる数字を作ることが重要です。
日本本社がインド現法の数値で確認したいポイント
日本本社側では、PLやBSを受け取るだけではなく、「この数字は確定値なのか」を確認することをお勧めします。
特に過去月の数字が頻繁に変わる場合には、現地法人に月次決算の締め日が設定されているか、締め後の修正が管理されているかを確認する必要があります。
また、前月報告値との差異が発生した場合に、その理由を説明するルールを設けておくことで、本社と現地法人の認識差を減らすことができます。
最後に
月次決算では、数字そのものの正確性だけでなく、「いつ数字を確定させるのか」「確定後の修正をどのように管理するのか」というルールも重要です。
過去月の数字が理由も分からないまま毎月変わってしまうと、経営者は月次資料を安心して意思決定に利用できなくなります。
締め日を設定し、毎月同じ基準で会計処理を行い、修正が発生した場合にはその内容を説明できる体制を作ることが、信頼できる月次決算につながります。
東京コンサルティングファームでは、インド法人の記帳、月次決算、MISレポート作成、財務分析、会計業務の内部プロセス構築などをサポートしております。ご不明点等ございましたらお気軽にお問い合わせ下さい。
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