お世話になっております。東京コンサルティングファーム インド拠点の加部 新(かべ あらた)です。日頃ご愛顧頂いている皆様へ有益な情報をお届けします。ご質問などございましたらお問い合わせ下さい。

インド法人の月次会計を確認していると、「銀行口座には残高があるのに、会計帳簿のBank Balanceと数字が合わない」というケースがあります。

これは必ずしも会計処理の誤りとは限りません。入出金のタイミングや銀行手数料、未処理の振込などによって、銀行明細と帳簿には一時的な差異が発生します。

そこで重要になるのが、Bank Reconciliation(銀行勘定調整)です。

Bank Reconciliationとは、銀行が発行するBank Statementの残高と、会計帳簿上の銀行残高を照合し、差額の原因を確認する作業です。

単に最終残高だけを合わせるのではなく、「どの取引が銀行には反映されているが帳簿にはないのか」「逆に帳簿にはあるが銀行ではまだ動いていないのか」を一件ずつ確認します。

月次決算の精度を高めるうえで、基本的ですが非常に重要な確認作業です。

銀行口座では、送金手数料、口座維持費、利息などが自動的に計上されることがあります。

これらを会計担当者がBank Statementから確認していなければ、銀行側では残高が減っている一方、帳簿には何も計上されていない状態になります。

金額が小さくても毎月積み重なるため、月次で確認して会計処理へ反映することが重要です。

帳簿上では支払処理を完了していても、銀行側ではまだ送金が実行されていないケースがあります。反対に、顧客から入金があっても、会計側で売掛金の消し込みが終わっていないこともあります。

このようなタイミング差は通常の業務でも発生しますが、インドにおいてはTDS(源泉徴収税)やGST(物品サービス税)の控除が絡むことで入出金額に差異が生じるケースも多く、長期間残っている場合には支払漏れや誤入金など別の問題が隠れていないか確認する必要があります。

銀行明細には正しい金額が記録されていても、会計帳簿への入力時に金額や勘定科目を誤っていることがあります。

また、複数の銀行口座を利用している会社では、別の銀行口座へ誤って記帳してしまうケースもあります。

Bank Reconciliationを行うことで、このような入力ミスを早い段階で発見できます。

Bank Reconciliationを年度末にまとめて行うと、数か月前の入出金について担当者が取引内容を覚えておらず、確認に時間がかかることがあります。

また、未処理の入金や支払、二重計上などが長期間放置されれば、売掛金・買掛金や費用の残高にも影響し、日本本社へ報告している月次数字そのものが不正確になる可能性があります。

毎月の月次決算時に銀行明細と帳簿を照合し、差異を翌月へ持ち越さない運用を作ることが望ましいでしょう。

日本本社側では、単に「Bank Reconciliation済み」と確認するだけではなく、長期間未解消となっている差異がないかを見ることが重要です。

特に古い未処理項目が毎月同じ金額で残っている場合には、その理由を現地担当者へ確認することで、会計処理の漏れや資金管理上の問題を早期に把握できます。

A. 年度末にまとめて行うと原因究明が困難になるため、毎月の月次決算時に行うことが強く推奨されます。

Bank Reconciliationは非常に基本的な会計業務ですが、インド法人の月次決算の信頼性を支える重要なプロセスです。

銀行残高と帳簿残高の差異を毎月確認することで、記帳漏れや誤処理を早期に発見できるだけでなく、売掛金・買掛金やキャッシュフローをより正確に把握することにもつながります。

東京コンサルティングファームでは、インド法人の記帳、Bank Reconciliation、月次決算、MISレポート作成、税務コンプライアンスなどをサポートしております。ご不明点等ございましたらお気軽にお問い合わせ下さい。

東京コンサルティングファーム インド拠点
加部 新