お世話になっております。東京コンサルティングファーム インド拠点の加部 新(かべ あらた)です。日頃ご愛顧頂いている皆様へ有益な情報をお届けします。ご質問などございましたらお問い合わせ下さい。
新しいオフィスや倉庫を開設するとき、GST登録も確認が必要です
インドで事業を拡大し、新しいオフィス、倉庫、工場などを開設する場合、会社法上の手続だけでなくGST登録の見直しも必要になります。
特に日系企業で混乱しやすいのが、「既存のGSTINに拠点を追加すればよいのか、それとも新しいGSTINを取得する必要があるのか」という点です。
基本的には、同一州内の拠点追加と、別の州への進出では考え方が異なります。
GST登録は原則として州単位
GSTでは、登録はPANだけで全国共通に管理されるのではなく、州・連邦直轄領ごとに行われます。
そのため、ある州で既にGST登録を持っている会社が、別の州でも課税対象となる事業を開始し、その州で登録義務が生じる場合には、原則としてその州で別のGST登録を取得する必要があります。
例えばカルナータカ州でGSTINを持つ会社が、ハリヤナ州に新しい事業拠点を設ける場合、カルナータカ州のGSTINへ単純に住所を追加して対応することはできません。州が異なるため、ハリヤナ州側のGST登録要否を別途確認する必要があります。
同じ州の中で拠点が増える場合は「Additional Place of Business」
一方、同じ州の中でオフィスや倉庫などが増える場合には、既存GST登録の「Additional Place of Business」として追加できるケースがあります。
GSTポータルでは、Principal Place of Businessとは別にAdditional Places of Businessを登録する仕組みが用意されています。
この場合、同一州内で新たなGSTINを必ず取得しなければならないわけではなく、既存登録の変更手続で対応できることがあります。なお、同一州内でも複数の事業所について別登録を選択できる制度はあります。
別州でGSTINを取得すると、申告管理も別になる
新しい州でGSTINを取得した場合、そのGSTINは既存州のGSTINとは別の登録として管理されます。
そのため、GSTR-1やGSTR-3BなどのGST申告もGSTINごとに管理する必要があります。
本社側では「同じ会社だからGST申告も一つ」と考えがちですが、実務では州ごとのGSTIN単位で売上、仕入、Input Tax Credit、納税額などを確認する必要があります。
同一法人内の州間取引にも注意
別州のGSTINは、同じ法人・同じPANであってもGST上は別の登録単位として取り扱われます。
そのため、例えばカルナータカ州の拠点からハリヤナ州の拠点へ商品やサービスを提供する場合、同一法人内の移動であってもGST上の取引として整理が必要になることがあります。
拠点追加時には、単にGST登録を取得するだけではなく、州間の請求方法、在庫移動、共通費用の配賦なども含めて運用を確認しておくことが重要です。
新拠点開設時に確認したいポイント
新しい拠点を設ける際には、まず「どの州に拠点を置くのか」「その拠点でどのような取引を行うのか」を確認します。
同一州であれば既存GSTINへの追加登録で対応できるか、別州であれば新規GST登録が必要かを整理し、そのうえで請求書発行、会計処理、GST申告の運用まで設計することが重要です。
拠点設立そのものは完了していても、GST登録や申告体制の整備が遅れると、請求やInput Tax Creditの管理に影響する可能性があります。
拠点を増やすときは「住所」ではなく「GSTIN単位」で管理する
インドで複数拠点を運営する場合、単純に所在地の数だけを見るのではなく、「どの州にどのGSTINがあり、どの取引がどのGSTINに帰属するか」を整理することが重要です。
特に複数州へ展開する企業では、GST申告業務も州ごとに増えるため、新拠点の開設段階から会計・税務の運用まで合わせて設計しておくことが、後の修正作業を減らすことにつながります。
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