皆さん、こんにちは!
東京コンサルティンググループインド拠点の加部 新です!

いつもブログをお読みいただきありがとうございます。

さて、今回は「インド商工省、「移行円滑化(品質管理)命令2026」を公布― BIS認証取得の新たな選択肢と日系企業への影響 ―」についてお話していこうと思います。

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2026年6月25日、インド商工省産業国内取引促進局(DPIIT)は新たな命令を公布しました。それが「移行円滑化(品質管理)命令2026(Transition Facilitation (Quality Control) Order, 2026)」であり、即日施行されています。

本制度は、インドで品質管理命令(Quality Control Order:QCO)の対象となる製品について、一定の条件を満たす企業に対し、従来よりも簡易な認証スキームを利用できるようにするものです。

近年、インドではBIS認証の取得が義務付けられる製品が急速に拡大していますが、今回の制度は、認証取得までの負担を軽減し、国内製造能力の強化を目的として導入されました。

これまで、多くのQCO対象製品では、BIS認証取得のために工場監査を伴う「スキームI」に基づく認証が必要でした。

一方、今回の制度では、一定の条件を満たした企業については、工場監査を必要としない「スキームII(適合自己宣言に基づく認証)」によるBIS認証の取得が認められます。

これにより、認証取得までの期間短縮や手続負担の軽減が期待されています。

もっとも、すべての企業が利用できる制度ではなく、所定の条件を満たした企業のみが対象となります。

本制度の対象となるのは、インド会社法に基づき設立された法人であり、DPIITが設置する実施委員会(Implementation Committee)の審査を通過した企業です。

審査では、

  • 技術的能力
  • 品質保証体制
  • 過去のコンプライアンス状況
  • サプライチェーン管理能力
  • インド国内の製造能力強化への取り組み

などが総合的に評価されます。

つまり、単に申請すれば利用できる制度ではなく、一定水準の品質管理体制を備えていることが前提となります。

今回の制度では、外国法人そのものは対象外とされています。

もっとも、JETROがDPIITへ確認した内容によれば、海外メーカーについても、インド現地法人や現地パートナーを通じて申請を行うことは可能とされています。

ただし、その場合には、

  • インド国内への投資計画
  • 委託製造や現地生産体制
  • 製造能力強化に向けた実施計画

などを提出する必要があります。

また、提出した計画どおりに製造体制の整備が進まない場合には、取得した認証が取り消される可能性もあるため注意が必要です。

さらに、本制度による認証は製品だけでなく輸入者にも紐づくため、認証を取得した申請企業のみが対象製品を輸入できる仕組みとなっています。

今回の移行措置は、現在QCOの対象となっている10分野の製品に適用されます。

対象には、

  • 玩具
  • 履物
  • エアコンおよび関連部品
  • 家庭用電気給湯器
  • 家庭用洗濯機
  • 家具
  • 家庭用・商業用電気機器

などが含まれています。

これらの製品をインドへ輸出・販売している企業にとっては、制度の適用可否を確認することが重要となります。

今回の制度は恒久的な制度ではなく、インド国内の製造基盤が整備されるまでの移行措置として導入されています。

対象期間は施行日である2026年6月25日から5年間とされており、利用を希望する企業は施行日から24か月以内にDPIITへ申請を行う必要があります。

期限を過ぎると本制度を利用できなくなる可能性があるため、対象企業は早めの検討が望まれます。

近年、インドではBIS認証の対象製品が年々拡大しており、多くの日系メーカーからも認証取得に関するご相談をいただいています。

今回の制度により、一部企業では認証取得までの負担軽減が期待されますが、一方で現地法人の設立やインド国内での製造体制整備が制度利用の前提となるケースもあります。

そのため、日本から単純に製品を輸出するだけでなく、中長期的なインド事業戦略やサプライチェーンの構築も含めて検討することが重要になるでしょう。

東京コンサルティングファーム インド拠点
加部 新