皆さん、こんにちは!
東京コンサルティンググループインド拠点の加部 新です!
いつもブログをお読みいただきありがとうございます。
さて、今回は「Ship-to GSTINの入力が義務化へ ― 2026年8月から始まるGST制度改正と企業が対応すべきポイント ―」についてお話していこうと思います。
企業が対応すべきポイント ―
GSTNから新たな制度変更が公表
GSTN(Goods and Services Tax Network)は、2026年8月1日より、e-Invoiceおよびe-Way Bill のシステムに関する重要な変更を実施すると公表しました。
今回の改正では、「Bill-to / Ship-to」取引やCombination取引において、Ship-to GSTIN(実際の配送先GST登録番号)の入力が必須となります。また、配送完了後にe-Way Billを任意で終了できる新たな機能も追加されます。
GST税率や課税方法が変更されるわけではありませんが、ERPや物流オペレーションに影響を及ぼす制度変更であるため、対象企業は事前の準備が必要となります。
Ship-to GSTINとは
従来からインドでは、「請求先(Bill-to)」と「配送先(Ship-to)」が異なる取引が広く利用されています。
例えば、日本企業のインド法人が本社宛てに請求書を発行しながら、実際の商品はグループ会社の倉庫やジョブワーカー、第三者物流会社へ配送するケースがあります。
2026年8月1日以降、このような取引では、実際の配送先に対応するShip-to GSTINの登録が必須となります。さらに、この要件はe-Way Billだけでなく、e-Invoice APIおよびe-Way Bill by IRN API にも適用されるため、ERPとGSTシステムを連携している企業にも影響があります。
どのような取引が対象になるのか
今回の改正は、請求先と配送先が異なる法人である場合に適用されます。
一方で、請求先と配送先が同一法人であり、自社の追加事業所へ配送するような通常取引については、従来どおりRegular Transactionとして取り扱われます。
また、配送先がGST登録を行っていない場合には、GSTINの代わりに「URP(Unregistered Person)」を入力することとなっています。
Ship-to GSTINの情報は公開されるのか
実務上、多くの企業が懸念するのが、「配送先情報が取引先へ公開されるのではないか」という点です。
この点についてGSTNは、Ship-to GSTINはe-Way Billへ印字されず、納税者や運送会社向けシステムにも表示されないことを明らかにしています。情報は税務当局による確認目的でのみ保持されるため、配送先情報の秘匿性には一定の配慮がなされています。
なお、配送先情報をサプライヤーへ開示したくない場合には、購入者自身がe-Way Billを作成することも可能とされています。
e-Way Billを任意で終了できるように
今回の制度改正では、配送完了後にe-Way Billを任意で終了(Close)できる機能も新たに導入されます。この機能は、サプライヤー、購入者、運送会社、または認可されたドライバーが利用でき、ポータルまたはAPIを通じて配送完了を登録することが可能です。
現時点では任意の機能ですが、今後システムの運用状況に応じて、より厳格な管理が行われる可能性も示されています。
企業が対応すべきこと
今回の制度変更は、税率変更のようなものではありませんが、ERPや物流管理の運用には大きな影響を与える可能性があります。
特に、グループ会社間取引やジョブワーク、ドロップシップメントなどを行っている企業では、自社の取引フローを整理し、Ship-to GSTINが必要となるケースを洗い出すことが重要です。
また、ERPマスターデータの更新や、GSP・ASPとのシステムテストについても、制度開始前に完了させることが推奨されています。
東京コンサルティングファーム インド拠点
加部 新