皆さん、こんにちは!
東京コンサルティンググループインド拠点の北岡 光里です!

いつもブログをお読みいただきありがとうございます。

さて、今回は「【インド労務】2026年最新アップデート:労働法コードの実務対応と企業がすべき5つのチェックポイント」についてお話していこうと思います。

あわせてご覧ください

インドに関する基礎知識が知りたい方は、こちらから▼
・インドの基礎知識
インドに関するセミナーに参加したい方は、こちらから▼
・インド関連セミナー2026年5月、インド労働雇用省は、賃金、労使関係、社会保障、労働安全衛生に関する4つのCentral Rulesを公表しました。今回の重要なポイントは、新しい義務を抽象的に増やしたことではありません。

これまで法律本文に記載されていた「登録する」「記録を保存する」「委員会を置く」といった原則について、企業が実際に何を、いつまでに、どの形式で行うのかが具体化されたことです。

ただし、今回公表されたのは中央政府所管の事業所を主な対象とする中央規則です。一般的な民間工場やオフィスでは州政府が所管する場合も多いため、マハラシュトラ州やグジャラート州など、各拠点の州規則についても併せて確認する必要があります。

  1. 事業所登録の実務手順 

電子手続の内容が明確になりました。OSH&WC Central Rulesでは、雇用主はForm Iを使用し、Shram Suvidha Portal等を通じて登録を申請します。必要書類を含めた完全な申請が提出された場合、登録証はForm IIIとして原則7日以内に電子発行されます。期限内に発行されない場合は、登録済みとみなされ、自動的に証明書が作成される仕組みです。企業としては、法人名、所在地、代表者、従業員数、既存の登録番号などの情報を一元管理し、変更があった際に速やかに更新できる体制が必要になります。

  1. 給与・勤怠管理の帳票要件 

単に帳簿を保管していればよいという段階から、帳票の内容まで確認される段階へ進みました。Code on Wages Central Rulesでは、控除や回収金に関する記録をForm IVで管理し、関連帳簿を最終記入日から5年間保存することが求められています。給与明細はForm Vに基づき、Basic、DA、手当、出勤日数、残業、総支給額、PF・ESI控除、UAN、銀行口座番号などを記載し、給与支払いまでに交付します。既存の給与計算システムが、これらの項目を正確かつ継続的に出力できるかを確認することが重要です。

契約労働者の管理についても、具体的な期限が定められました。請負業者は、契約上のwork orderを受けてから15日以内に、契約内容を所定の方法で届け出る必要があります。また、契約労働者についても、適用要件を満たす場合にはEPFO・ESICの対象となります。請負業者が賃金を支払わない場合には、元請企業側にも未払い対応が求められる可能性があります。そのため、調達部門だけに任せるのではなく、人事、経理、現場管理を含めて、請負業者のライセンス、給与支払い証憑、社会保険加入状況を管理する体制が必要です。

さらに、委員会運営の要件も具体化されました。20人以上のworkerを雇用する事業所では、労使同数・最大10人で構成するGrievance Redressal Committeeを設置します。500人以上のworkerを雇用する事業所ではSafety Committeeの設置が必要となり、原則として四半期ごとに開催します。会社は委員会から提言を受けた後、15日以内に対応措置を取ることが求められます。したがって、委員会名簿を作成するだけでは十分ではありません。選出方法、会議開催記録、提言内容、会社としての対応状況までを証跡として残すことが重要です。

最後に、Gratuityのnominationについても実務上の運用が明確になりました。勤続1年以上で未提出の従業員は、Form IIIを使用し、原則90日以内にnominationを提出します。会社は受領後30日以内に内容を確認し、認証済みの写しを従業員へ返却します。結婚、子どもの出生、離婚、nomineeの死亡など、家族構成に変更があった場合には、情報の更新も必要になります。

企業はまず、①労務関連の登録情報、②給与・勤怠帳票、③請負業者台帳、④委員会の議事録、⑤Gratuity nominationの5点を点検し、担当者と対応期限を明確にすることが求められます。加えて、各州における労働法コードの規則化・施行動向も継続的に確認していく必要があります。

本記事では、2026年5月にインド労働雇用省が公表した4つの労働法コード(Central Rules)に基づき、企業が直ちに確認すべき5つの実務ポイントと対応手順について解説します。

本日は以上になります。
弊社では最新の法改正や経済動向のニュースアップデートを通じて企業、インド在住の方へ情報提供を行っております。
会計・税務・法務・労務でお困りの事ありましたらいつでもお気軽にご連絡下さい。

東京コンサルティングファーム インド拠点
北岡 光里