皆さん、こんにちは!
東京コンサルティンググループインド拠点の亀 圭良です!
いつもブログをお読みいただきありがとうございます。
さて、今回は「海外グループ会社へ請求するマーケティング支援費とGST」についてお話していこうと思います。
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・インド関連セミナー1 なぜマーケティング支援費のGST整理が重要なのか
インド事業が拡大すると、インド子会社や販売店が広告制作、店頭販促、オンラインキャンペーン、営業支援などを先に実施し、海外親会社や地域統括会社へその費用を請求する場面が増えます。このとき、単なる立替金、商品代金の値引き、または通常の役務対価のいずれとして処理するかにより、GST、請求書、外貨回収、会計処理の結論が変わります。特に、販促費を商品代金のCredit Noteで相殺すると、取引実態と証憑が一致しにくくなります。まず、誰が、誰に、どの役務を提供し、対価をどの通貨で回収するのかを整理することが重要です。
2 Export of ServicesとLUTの基本
IGST Act, 2017第2条(6)では、輸出役務に該当するための主な要件として、役務提供者がインドに所在すること、役務受領者がインド国外に所在すること、役務の供給場所がインド国外であること、対価を兌換可能外貨またはRBIが認める方法で受領すること、提供者と受領者が単なる同一人の別拠点ではないことが定められています。これらを満たす場合、当該役務はIGST Act第16条のZero-rated Supplyとして整理されます。
実務上は、IGSTを支払って還付を受ける方法と、LUTを提出してIGSTを支払わずに輸出インボイスを発行する方法があります。LUTは通常、年度ごとにForm GST RFD-11で提出します。
3 2026年改正と仲介サービスの位置づけ
従来、仲介サービスについてはIGST Act第13条第8項(b)により、供給場所が役務提供者の所在地とされていました。そのため、インド法人が海外企業向けに取引の仲介や販売支援を行っても、供給場所がインドと扱われ、輸出役務にならない可能性がありました。Finance Act, 2026 第157条により同規定は削除され、2026年3月30日以降、仲介サービスについても原則として受領者所在地を基準に供給場所を判断する方向に変わっています。ただし、すべてのマーケティング支援が自動的に輸出役務になるわけではありません。契約内容、実際の業務、対価の流れを個別に確認する必要があります。
4 実務上の確認ポイント
まず、海外グループ会社とのMarketing Services Agreementを確認し、サービス内容、受領者、報酬計算、承認方法、報告資料、支払通貨を明確にします。請求書には、LUT下の輸出役務であること、受領者の国外住所、サービス内容、外貨建て金額を記載します。入金後は、銀行の入金証憑、外貨受領証明、契約書、作業報告、ベンダー請求書を保存してください。また、単なる立替としてPure Agent処理を行う場合、CGST Rules第33条の要件を満たす必要があります。
販促活動はインド法人や販売店自身の売上拡大にも関係することが多いため、安易に非課税の立替金として扱うのは危険です。
5まとめ
海外グループ会社へ請求するマーケティング支援費は、条件を満たせばGST上の輸出役務として Zero-rated Supplyに整理できる可能性があります。しかし、「海外への請求だからGSTは不要」と単純に考えるのは誤りです。輸出役務の要件、LUTの提出、外貨回収、契約書、インボイス、銀行証憑がそろって初めて、実務上説明できる処理になります。特に2026年の仲介サービス規定の削除により判断余地は広がりましたが、取引実態の確認は不可欠です。インド実務では、税率だけでなく、契約、請求、入金、証憑保存まで一体で運用設計することが重要です。
東京コンサルティングファーム インド拠点
亀 圭良