皆さん、こんにちは!
東京コンサルティンググループインド拠点の北岡 光里です!

いつもブログをお読みいただきありがとうございます。

さて、今回は「【インド労務】社会保障コード(PF/ESI等)未払い額への年12%単利適用:日系企業が確認すべき実務ポイント」についてお話していこうと思います。

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・インド関連セミナーインドで事業を行う日系企業にとって、労務・社会保障コンプライアンスは、税務や会社法対応と並んで重要な管理領域です。特に、2026年5月29日付でインド労働雇用省が公表した通知 S.O. 2698(E) は、Code on Social Security, 2020(社会保障コード)に基づく未払い額に対し、年12%の単利を課すことを明確化した点で注目されます。

  • 規定内容:社会保障コード(PF/ESI等)の未払い額に対し、年12%の「単利」が課される
  • 適用期間:2025年11月21日に遡って効力を有する
  • 企業への影響:罰金とは別に「利息」として発生するため、過去の遅延分を含めた未払い額の棚卸しと、月次の支払プロセス見直しが急務

社会保障コードの Section 127 は、雇用主が同コード上支払うべき金額について、支払期日から実際の支払日まで、中央政府が通知する利率で単利を負担すると定めています。今回の通知は、この利率を「年12%」と指定したものです。また、通知上、この取扱いは2025年11月21日から効力を有するとされています。

実務上重要なのは、この12%が罰金ではなく「利息」として位置付けられる点です。したがって、社会保障関連の支払遅延がある場合、会社は未払い元本に加え、支払期日から実支払日までの日数に応じた利息を計算する必要があります。一般的には、未払い額 × 12% × 遅延日数 ÷ 365 という考え方で試算することになります。

対象となり得る支払義務には、PF や ESI など、社会保障コード上、雇用主が負担・納付すべき拠出金や charges 等が含まれます。その他の給付・補償・ギグワーカーやプラットフォームワーカー関連の拠出については、該当する Chapter、Scheme、Rules における支払義務および別段の利息規定の有無を個別に確認する必要があります。

日系企業にとってのリスクは、単に利息負担が発生することにとどまりません。未払い・遅延が継続している場合、当局からの照会、検査、是正指示に加え、該当する Chapter や Scheme によっては、損害金の賦課や未払い額の強制徴収手続につながる可能性があります。特に、駐在員管理、給与計算、外部ベンダーによるペイロール処理、派遣・契約労働者管理が複雑な企業では、支払期日と実支払日の管理が十分でないケースもあります。

まず実施すべき対応は、2025年11月21日以降の社会保障関連支払について、未払い・遅延の有無を棚卸しすることです。次に、各支払について、対象制度、支払期日、実支払日、元本、遅延日数、利息額を一覧化します。ペイロールベンダーや会計事務所に任せている場合でも、最終的な責任は会社側に残るため、月次のコンプライアンス・チェックリストに利息リスクの確認を追加することが望まれます。

また、未払いが確認された場合には、会計上の引当や費用計上、監査人への説明、親会社への報告要否も検討が必要です。特にインド子会社が日本本社に連結されている場合、金額の大小だけでなく、コンプライアンス違反としての性質も踏まえた報告判断が求められます。

今回の通知は、新たな社会保障負担を創設するものではありませんが、支払遅延に対するコストを明確化するものです。通知は2025年11月21日から効力を有するとされているため、日系企業としては、過去分の遅延有無を含めて現時点で支払プロセス、ベンダー管理、内部承認、証憑保存を見直し、遅延が発生しない体制を整えることが重要です。

本日は以上になります。
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北岡 光里