皆さん、こんにちは!
東京コンサルティンググループインド拠点の加部 新です!

いつもブログをお読みいただきありがとうございます。

さて、今回は「インドのEPF制度を日本人向けにわかりやすく解説― インド版「厚生年金」とも言える社会保障制度とは? ―」についてお話していこうと思います。

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インドで従業員を雇用すると、一定の条件を満たした場合に「EPF(Employees’ Provident Fund)」への加入義務が発生します。

日本企業の担当者様からも、「インドの年金制度ですか?」

「会社負担はどのくらいですか?」

「日本人駐在員も加入が必要ですか?」

といったご質問をいただくことが少なくありません。

EPFは、日本でいう厚生年金や退職積立制度に近い性質を持つ社会保障制度であり、従業員の老後資金形成を目的として運用されています。インドでは社会保障制度の中でも特に重要な制度の一つであり、多くの企業に適用されます。

EPF制度は、原則として20名以上の従業員を雇用している事業所に適用されます。対象となるのは工場だけではなく、オフィスやサービス業の事業所も含まれます。

そのため、インド進出当初は対象外であった企業でも、従業員数の増加によって加入義務が発生するケースがあります。

日系企業の中には、「設立当初は数名だったため対応していなかったが、気付いたら20名を超えていた」というケースも見受けられます。そのため、人員計画と合わせてEPFの適用時期を把握しておくことが重要です。

EPFでは、会社と従業員の双方が積立金を負担します。

一般的には、Basic Salary(基本給)およびDearness Allowance(物価手当等)を基準として、従業員が12%、会社側も約12%を負担します。

例えば、Basic Salaryが月額30,000ルピーの場合、毎月一定額がEPFへ積み立てられることになります。日本企業からすると、「会社も負担するのか」と驚かれることもありますが、インドでは一般的な制度として広く運用されています。

以前は、日本人駐在員についてもEPF加入が求められていました。

しかし、2016年に日印社会保障協定が発効したことにより、日本の社会保険制度に加入している駐在員については、一定の条件を満たすことでインドのEPF加入が免除されるようになりました。

そのため、現在では多くの日系企業において、日本から派遣された駐在員についてはEPFへ加入せず、日本側の社会保険制度を継続利用するケースが一般的となっています。

もっとも、この免除を受けるためには所定の手続きが必要となるため、赴任時に適切な対応を行うことが重要です。

EPFについては、日本企業の担当者様から以下のような誤解をお聞きすることがあります。

一つ目は、「給与が高い従業員は加入不要」という認識です。

確かに一定の給与基準がありますが、過去に加入している従業員については継続加入となるケースもあり、単純に給与額だけで判断することはできません。

二つ目は、「会社設立時に登録していなければ問題ない」という認識です。

実際には、従業員数の増加により後から加入義務が発生するケースもあり、未対応のまま放置すると将来的なコンプライアンスリスクとなる可能性があります。

三つ目は、「人事部門だけの問題」という認識です。

EPFは給与計算や会計処理にも影響するため、HRだけでなく経理やマネジメント層も制度概要を理解しておくことが重要です。

近年の労働法改革により、インドでは複数存在していた労働法が4つのLabour Codeへ統合されました。EPFについても、Social Security Codeの中で再整理されています。

「2026年4月1日より新たなLabour Codeが順次適用開始となっており、基本給(Basic Salary)が給与総額(CTC)の50%以上を占めるよう給与構造を見直すルール等が導入されています。これにより、EPFの算出基礎となる基本給が増加し、会社負担分が実質的に増加する可能性があるため、各州の施行状況に応じた給与体系の早急な見直しが求められます。

Q.従業員数が20名未満の場合、EPFに加入しなくてもよいですか?

A.はい、原則として20名未満の事業所は加入義務がありません。ただし、従業員数が20名に達した時点で法的義務が発生するため、人員計画に基づく事前の準備が必要です。

Q.日本人駐在員もインドのEPFに加入する必要がありますか?

A.日印社会保障協定に基づき、日本の社会保険に継続加入している駐在員は、適切な手続きを行うことでインドのEPF加入が免除されます。

EPFは単なる社会保障制度ではありません。会社負担分が発生するため、採用計画や人件費予算にも影響を与えます。

特にインドでは従業員数が増加するスピードが速い企業も多く、将来的な人件費を見積もる際には、給与だけでなくEPF負担も考慮する必要があります。

そのため、採用戦略や組織拡大を検討する際には、EPFを含めたトータルコストで判断することが重要です。インドでの給与計算、EPF等の社会保障手続き、新たなLabour Codeへの対応に関するご相談は、東京コンサルティングファーム インド拠点までお気軽にお問い合わせください。

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