皆さん、こんにちは!
東京コンサルティンググループインド拠点の亀 圭良です!

いつもブログをお読みいただきありがとうございます。

さて、今回は「【インド法人管理】非公開会社の株式電子化(Demat化・Rule 9B)手続きと対応方法」についてお話していこうと思います。

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インドでは株式の「電子化(Demat化)」が進んでおり、非公開会社も従来の紙の株券を電子的に管理する仕組みに移行する必要があります。電子化することで株主情報が正確に管理でき、株式譲渡や資本政策の透明性が高まります。 特に、インド子会社を持つ日本企業は、現地の株式発行・譲渡手続きが電子化されている点を理解し、実務に反映させることが重要です。

● 根拠法令:インド会社法に基づく「Rule 9B(株式の電子化義務)」
● 対象企業:小会社と政府会社を除く、すべての非公開会社
● Demat化とは:紙の株券を無効化し、証券保管機構(NSDL/CDSL)
の電子口座上で株式を管理すること

株式電子化義務はすべての非公開会社に課せられるわけではありません。

主に以下の会社が対象です
● 非小会社の非公開会社:Rule 9Bでは、小会社を除く非公開会社に対して、既存株式の Demat化と今後発行する株式の電子化を義務付けています。小会社とは、資本金10 Croreルピー以下かつ売上高100 Croreルピー以下の会社(※2025年12月1日適用の最新基準)を指し、持株会社やセクション8会社などは除外されます。
● セクション8会社や非小規模のプロデューサー会社、非小規模の連結子会社:小会社や政府会社を除くセクション8会社や非小規模なプロデューサー会社、外国会社のインド子会社なども対象となります。
 逆に、小会社および政府会社はRule 9Bの電子化義務から除外されています(※なお、非上場公開会社向けのRule 9Aでは公共会社の完全子会社も除外対象となります)。

3.1 ISINの取得と契約  株式の電子化を進める最初のステップは、国際証券識別番号(ISIN)を取得することです。非公開会社は、証券保管機構(NSDLまたはCDSL)と連携し、担当のデポジトリー参加者(DP)や登録移転代理人(RTA)と契約します。ISIN取得には定款や会社設立証明書、株主名簿などの提出が必要となり、取得までに数週間かかる場合があります。専門機関との連携が不可欠です。

3.2 株主情報の確認とDemat口座開設  ISIN取得後、各株主がDemat口座を開設できるようサポートします。株主はPAN(納税者番号)や住所証明、銀行口座情報などのKYC書類をDPに提出し、Demat口座を開設します。外国株主がいる場合、パスポートや住所証明の翻訳・公証が必要になることがあります。会社は株主名簿を最新の情報に更新し、Demat口座への株式移行スケジュールを調整します。

3.3 旧株券(シェアワラント)の整理  過去に紙の株券やシェアワラントを発行していた場合、未返還分を整理する作業が必要です。Rule 9Bでは未返還の株券をリスト化し、PAS-7フォームで当局に報告するよう求めています。株券保有者にはPAS-8様式で通知し、Demat化を促します。一定期間内に株券が返還されない場合は官報公告を行い、会社が株式をDemat口座に移行する手続きを取ります。

3.4 PAS-6の提出と資本調整  株式の電子化が完了した後も、非公開会社は半期ごとに「Reconciliation of Share Capital Audit Report (PAS-6)」を提出し、発行済み株式数とDemat済み株式数を照合します。PAS-6には株主名や株数の内訳を記載し、会社秘書がデジタル署名を用いてオンラインで提出します。

3.5 デジタル署名と社内承認  オンライン申請を行うには、会社の代表者や秘書がデジタル署名証明書(DSC)を取得している必要があります。Demat手続きには取締役会決議や株主の承認が求められる場合もあるため、社内で事前に手続きフローを定め、必要な承認を得ておきます。また、定款に株式譲渡制限がある場合は、譲渡に当たっての会社の同意方法などを定款や株主間契約に反映させることが重要です。

3.6 株式のオフマーケット移転と会社の同意  株式の電子化により、株式の移転もDematを通じて行われます。NSDLの2025年6月3日付サーキュラーでは、非公開会社の株式をオフマーケットで移転する場合、株主がデポジトリー参加者に提出する「デリバリー指示書(DIS)」に加えて会社の同意書を提出するよう求めています。これにより会社は譲渡を把握し、定款の譲渡制限を適切に適用できます。社内手続きとして、譲渡時の同意書発行フローや担当者を決めておく必要があります。

● 早期の準備:ISIN取得や株主への連絡には時間がかかります。外国株主のKYC情報収集や Demat口座開設は予想以上に時間を要することがあるため、早めに着手しましょう。
● 社内体制の整備:株主名簿のデジタル管理、PASフォーム提出フローの整備、DSC取得など、法務・経理・IT部門が連携して体制を構築することが不可欠です。
● 契約書・定款の見直し:株式譲渡制限やDemat化後の議決権行使に関する規定が旧版のままでは実務と整合しません。現行法に対応した改訂を検討してください。
● クロスボーダー取引:外国投資規制(FEMA)に基づく報告義務(FC-TRS等)も同時に発生します。株式移転時は事前に銀行やアドバイザーと調整しましょう。

非公開会社にとって株式の電子化は法的義務であり、手続きが完了していないと新株発行や株式譲渡が制限されます。適用対象を確認し、ISINの取得、株主情報の整理、Demat口座開設、旧株券の回収とPASフォームの提出といった手順を順序立てて進めることが重要です。社内での承認フローとデジタル署名の整備も忘れずに行いましょう。日本企業がインドでの資本政策やM&Aを進める際には、こうした電子化手続きが前提となるため、早期に専門家の助言を得て計画的に対応することが求められます。

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亀 圭良