中国での事業拠点の設立-駐在員事務所の設立手続き

駐在員事務所の設立は外国企業の駐在代表機構の管理に関する暫定施行規定に従います。当該規定は1980年に国務院により公布され、1995年に実施細則が発表されています。業種により規定が異なるため、設立の際は省務局への確認が必要です。

■受入保証先の決定…❶
受入保証先とは、これから駐在員事務所を設立する組織の身元保証に相当するものです。受入保証先(接待単位)は業種によりほぼ決まっており、過去に取引のあった中国企業または外事服務組織として決定します。ただし特定の業種(銀行、保険会社等)は受入保証先が不要です。
■場所の選定…❷
外国企業の駐在員事務所は、各地域で中国政府の指定する機関またはその許可を得ている機関(対外経済貿易委員会等)が開設を認めているオフィスビルおよびホテルにのみ、開設が認められます。事務所の開設場所を決定したのち、開設場所オフィスの賃貸借契約書を締結します。駐在員事務所の開設場所の選定は❶と同時進行で行います。
■設立の認可機関への申請…❸
[申請機関]
❶の後、業種別に各主管部門(認可機関)に認可申請を行います。

[書類提出]
許可申請にあたり、上記の許可機関に以下の書類等を提出します。

■登記手続…❹
認可手続終了後、認可機関から外国企業の中国における駐在代表機構認可証書およびその通知書が発行され、発効日より30日以内に駐在員事務所所在地の工商行政管理局に登記申請しなければなりません。登記申請に必要となる主な書類は以下のとおりです。
・ 駐在員事務所登記申請書
・ 認可機関から発行された認可証明書
・ 外国企業の中国における駐在代表機構認可証正本
これらの申請と同時に駐在員個人の登記申請も行う場合が多いです。登記申請後一定期間内に、駐在員事務所に対して外国企業(地区)駐在代表機構登記証が、また駐在員個人に対して代表証が交付されます。
登記手続後30日以内に認可証書、登記証および代表証を持参して、公安機関、財務機関、税務機関および銀行等の部門で関係手続を行う必要があります。
従来は、外国企業は主管政府機関による認可および登記を経なければ、中国国内に駐在員事務所を設立することができませんでした。すなわち、まず審査認可機関による認可を取得し、その上で工商行政管理局における登記手続を行って、はじめて駐在員事務所の設立を完了することとされてきました。外国企業常駐代表機構登記管理条例(中国国務院令[2011]第584号、同年3月1日施行)改正に伴い、設立手続はかなり簡略化され、多くの業種について審査機関による認可が不要となり、基本的には工商行政管理局における登記手続のみで設立することができるようになりました。

関連記事

ページ上部へ戻る