日本と中国の不正の違い(ソリューション)

 こんにちは、中国・上海の田中勇です。本日は、日本と中国の不正に関連する、ソリューションについてお話します。

 

 企業のあるべき姿についてお話しましたが、優良な企業であっても、不正が起こることがあります。それでは、不正が起きた時にどのような対応をすべきなのか。まずは①正確に原因分析し、②費用対効果を考慮し、③不正対策防止策を実施することが重要になります。

「原因を正確に分析」について、これを怠ると、効果の薄い防止策を行うことで会社の資源浪費につながり、さらに経営状態が悪化する場合があります。下記の通り、事例をいくつかご紹介します。

 一つ目の事例として、化粧品店の万引き多発問題があります。万引きされた商品がオークションに出て回るような深刻な状態で、店員に注意するよう忠告しても効果はありませんでした。そこで、その化粧品店は、万引きされた数量に応じて店員の給料からペナルティを差し引くことにしました。その結果、万引きがより多発したのです。理由は、万引き犯は、店員の知り合いであり、店員が見て見ぬふりをしていたというのがこの問題の最大の原因だったからです。ペナルティ制度実施後は、店員と万引き犯がタッグを組むようになり、店員が万引き犯からキックバックをもらうようになったのです。結果万引き犯は店員の了承を得たので、大手をふるって万引きをするようになりました。

 二つ目の事例としては、売掛金の未回収問題があります。経理部門からの再三の督促にも関わらず、売掛金の未回収の状態が続いました。ところが、督促は全くと言っていいほど効果はありませんでした。問題の真の原因は、販売員と販売先がタッグを組み、販売員は販売高に対するマージンを自分の会社からもらい、販売先は商品のみを受け取り支払わないという話をつけていたということでした。その後この会社は、売掛金の回収責任を販売員に負わせることでこの問題は解決しました。現在、マージンの支払は売掛金の回収高に対して支払われています。職務の範囲を変えたことで、不正防止に役立てた事例です。

 三つ目の事例としては、仕入先からのバックマージン受取問題があります。約200人近くの従業員を抱える工場で、弁当調達係が弁当業者から1箱あたり1元のバックマージンを受けていました。単純計算で、月あたり約6,000元の収入になります。(200人×1元×30日=6,000元)一方、当該会社の調達部門は、連日徹夜の業務が続く厳しい部門で、調達部門に配属になった人材が一定しないという問題を抱えていました。そこで、この会社は、調達部門の部長に弁当調達権利を与えました。その結果、調達部門の人気が高まり、調達部門の人材が安定しました。コントロール困難なバックマージンの風習をあえて受け入れ、うまく利用し成功した特異な事例です。

 次回、②費用対効果を考慮③不正対策防止策についてお話します。

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