ブランド構築戦略

こんにちは、中国・上海の田中勇です。本日は、ブランド構築戦略についてお話します。

日系企業が他外資系企業と比べ中国事業でうまくいかない理由の一つとして、ブランド構築戦略がうまくいっていないということが挙げられます。ここで、ブランド構築戦略とは具体的に何を指すのか。関連する成功企業の事例をお伝えします。

まず、ブランドとは、大きく企業ブランドと商品ブランドに分類できます。中国では、商品ブランド(サブブランド)よりも、企業ブランドが重要です。例えば、中国人にとって「EOSユーザー」ではなく、「キャノンユーザー」としての意識の方が強い傾向があります。背景としては、中国では偽物があふれている影響で、商品に対しては簡単に信用せず、中国人はその商品の販売企業がどのような企業なのかという関心が強い傾向があるのです。したがって、ブランド構築戦略を策定する際は、企業ブランドの構築が最も重要になります。

ブランド構築戦略とは、具体的には以下の項目が挙げられます。①企業理念の共有、②経営者による記事発表、③企業研究記事の発表です。それぞれ関連する成功企業の事例を挙げれば、①企業理念の共有については、P&Gがあります。P&Gは、中国では化粧品などの部門でトップシェアを誇る会社です。P&Gの中国ビジネスについての最終目的を「ブランド資産価値を最大化する」こととしています。多くの企業が短期的利益やシェア率などを目的とする中、P&Gはあくまで中国国内での会社の資産価値を念頭に入れて、戦略を立てていたのです。言い換えれば、中国に貢献することを誓ったものであるといえます。結果として、現地スタッフや顧客を通して、P&Gの企業理念が共有され、一つのブランドが構築されたのではないかと考えられます。サムスンも同様で、自社のホームページに「中国サムスンの経営理念は中国社会に貢献する」と明言しています。
(サムスンHP:http://weibo.com/2533448835/B6GaUbLV3?s=6cm7D0

次回、②経営者による記事発表、③企業研究記事の発表についてお話します。

以上

 

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