中国の社会保険制度

こんにちは、中国・上海に駐在しております小林です。

中国にも日本と同様社会保険制度があります。昨年、外国人労働者の社会保険加入を義務付ける法律が施行されましたが、現状就労している都市によって運用が異なるという不透明な状況が続いています。たとえば青島、蘇州、成都などでは法律通り強制加入が行われているのに対し、上海、杭州などではいまだ地方政府が別途通知を公布し、外国人を強制加入することには様子見の姿勢を見せています。また、北京では、区ごと、企業ごとに対応が異なっています。

一方で中国の企業に雇用されている中国人は社会保険への加入が必須となっています。

今回は、中国の社会保険制度の概要についてお話ししたいと思います。中国の社会保険制度は「5険」制度とも呼ばれており、養老保険、医療保険、労災保険、出産保険、失業保険の5つで構成されています。それぞれの保険料の料率は都市ごとに異なっており、例えば上海では、下表のようになっています。

(基本的に、前年度の平均月給をもとに上記比率を乗じて月額保険料を算出。ただし、上海市の平均月給を大幅に上回る、または下回る場合は別途規定があります。)

さらに上海市では、住宅公共積立金として、企業と従業員がそれぞれ7%ずつ負担する制度もあります。(上述の5険と合わせて、「5険1金」ともいいます。)

このように社会保険の負担というのは、相当大きいので、注意が必要です。
特に中国人を雇用する際に、本人の言う希望月給は通常手取額を指しますので、実質的な会社負担は所得税も含めますと、手取り給与の1.8倍ほどになります。また、社会保険料を適切に納付しないと罰金などの罰則もありますので、気を付けなければなりません。

以上です。

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