尖閣諸島問題と日本企業への影響

こんにちは、中国・上海の田中勇です。

本日は尖閣諸島問題と日本企業への影響についてお話しします。

そもそも、尖閣諸島の領有権は日清戦争(1984.7~1985.3)で日本が勝利するまでは、誰も主張しておりませんでした。日清戦争に勝利した直後、日本は尖閣諸島の領有を閣議決定し(1896年)、領有権を主張するようになります。さらに、サンフランシスコ条約(1951)、沖縄返還協定(1971)からも分かるように、国際的にも尖閣諸島は日本領土であることが認められるようになります。また、日本人が尖閣諸島で開墾するなど実質的にも日本が支配するようになっていました。

ところが、1968年に石油資源が尖閣諸島に埋蔵されていることがわかると、中国、台湾の領有権主張が始まったのです。その後、尖閣諸島問題で悩む中国政府と自民党内閣は、密約を結びます。その密約とは、「尖閣諸島の領有権問題は、一旦棚上げしましょう。そして、いずれ賢い人が出てきたときに、再度話し合いをしましょう」というような内容でした。密約の結果、日本・中国両国での言い争いは一旦落ち着いたのです。

9月11日、日本政府は約20億円で尖閣諸島を国有化しました。この売買行為は、上述の密約によって静かにしていた中国を激怒させることになります。その後、売買行為の報復行為だと考えられますが、中国の一部の店舗において、日本製品販売禁止の通達が出るようになります。禁止範囲は出版物、薬品等に及びます。

今後、日本製品の販売禁止措置や不当な輸出制限等に悩む日本企業が増えていくと予想されます。確かに中国にはカントリーリスクが多くありますが、市場としての魅力は世界ナンバーワンです。したがって、日本企業はチャイナリスクを正確に再度認識し、十分検討した上で中国事業を進めることが重要になります。

以上です。

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