皆さん、こんにちは!
東京コンサルティンググループカンボジア拠点の谷坂 映歩です!
いつもブログをお読みいただきありがとうございます。
さて、今回は「企業が知っておくべきカンボジア社会保障制度(NSSF)」についてお話していこうと思います。
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目次
【企業が知っておくべきカンボジア社会保障制度(NSSF)】
カンボジアでビジネスを展開する際、国家社会保障基金(National Social Security. Fund:NSSF)の理解は社会保障制度を把握するうえで非常に重要です。この国家社会保障基金(NSSF)は、カンボジアの社会保障制度を支える主要な機関であり、特に労働者や企業にとって不可欠な存在です。この記事では、このNSSFの仕組みや登録手続きについて解説します。
1.NSSFとは?
NSSFとは、National Social Security Fundの略称で、日本語では国家社会保障基金と呼ばれます。この制度は、カンボジア国内で働く労働者に対し、健康保険や労働災害保険などを提供するために設立されました。フォーマルセクター(民間企業)の従業員が主な対象です。公務員が必ずしもすべての制度の対象になるわけではありません。
2.NSSFの主な機能
NSSFの主な機能として以下3点が挙げられます:
1.健康保険: 労働者が病気や出産時に医療サービスを受ける際の費用をカバー
2.労働災害保険: 労働中の事故や職業病による損害を補償
3.年金制度(現在一部導入済): 2022年7月1日より施行され、労働者と雇用者がそれぞれ賃金の2%ずつを拠出する形で運用が開始されています。将来的には掛金率が段階的に引き上げられる予定で、老後の生活を支える仕組みとして整備が進んでいます。
3.企業の義務と手続き
企業(または事業体)は、以下の通りNSSFへの登録義務があります:
・既存の未登録企業:Prakas No. 168/22 の発効後30日以内に登録を行う必要があります。
・新設企業:営業開始から30日以内に登録が必要です。
・従業員の登録:雇用を開始してから3日以内に登録を行わなければなりません。
登録後は、以下の義務が発生します:
・毎月15日までに保険料を納付
・毎月20日までに従業員数を報告
これらの手続きは法律で義務付けられているため、遅延のない対応が求められます。
4.必要書類と手続きフロー
<必要書類>
・企業登録用紙: 会社設立証明書やパテント証明書などが含まれます。
・従業員リスト: 従業員全員の情報を記載したリストが必要です。
・身分証明書: 企業代表者や従業員の身分証明書が求められます。
これらの書類を揃えてNSSFに提出することで、正式に登録されます。登録後は、企業に対して登録証明書(Registration Certificate)が発行され、また従業員にはNSSF会員カード(NSSF Membership Card)が交付され、医療・保険等の社会保障サービスを受けることが可能となります。
5.注意点とメリット
NSSFへの適切な登録と報告は法律で義務付けられており、違反すると罰則が科される可能性があります。たとえば、登録未実施、掛金未納、従業員未報告などが確認された場合、基準日給の10〜30倍に相当する罰金が従業員数に応じて科されることがあります。
一方で、NSSFに適切に登録していれば、従業員は安心して働くことができ、企業としての信頼性や労働環境整備の面でも評価が高まります。
6. カンボジアビジネスのことは「東京コンサルティングファーム」にお任せください
今回は「カンボジア社会保障制度(NSSF)」について解説しました。
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本稿で解説した、カンボジア社会保障制度に関するご相談はもちろん、海外進出から海外子会社管理、クロスボーダーM&A、事業戦略再構築など、海外進出に関する課題がありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。
※本記事は、カンボジアに関する一般的な情報提供のみを目的としたものであり、法的助言を構成するものではありません。
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