カンボジアから事業撤退する(非公開会社の場合)(3)

皆さま、こんにちは。カンボジア駐在員の安藤です。
今回は、前回お話しさせて頂いたカンボジアから事業撤退する際の手続き(非公開会社)の続きをお話ししたいと思います。

 

前回は、手続きフローが10あるうちの1〜5についてお話ししました。今回は、6〜10とその他の通知などの手続きについてお話ししたいと思います。

<手続きの続き>
6、資産の分配
解散意思を通知し債務の支払を済ませた後は、会社は株主の残余財産分配権に基づいて残存する資産を分配します。

7、解散証明書の発行
清算の手続が完了した後は、会社は解散決議書を作成し取締役に送付しなければなりません。解散決議書により取締役は解散証明書を発行することになります(257条)。

8、税金清算証明書の取得
会社の解散証明書を商業省に送付する際には、租税完納証明証を添付する必要があります。そのため、税務総局より手続きを完了させておく必要があります。
租税完納証明証を取得するためには、税務総局による最終税務調査を受け、未納の税を完納するする必要があります。最終税務調査は、全ての調査未了年度を対象として行われるため、一般的には6ヶ月以上かかり、実務上、1年を超える場合も少なくありません。

9、商業省による認証
商業省が解散証明書を認証するまでは、会社の法人格は存続します(253条)。
必要書類を全て揃えて提出します。この時、Joint Prakas no.1643に基づいて、手数料48万リエル(約120米ドル)を支払う必要があります。

10、清算の完了
解散証明書に記載された日付をもって会社は解散することになります(257条)。なお、解散及び清算に関する条項は、裁判所に破産を申し立てた会社には適用されません(258条)。

商業証より認可された後、租税総局と労働省、その他の関連当局に通知も忘れてはなりません。
租税総局には、商業省より認可されて15日以内に商業省の認可レター、当初の税務登録抹消申請書、届出済みのレター及び税金清算証明書と共に通知レターを提出します。
労働省には、認可されて30日以内に商業省の認可レター、パテント税証明書のコピー、会社設立証明書のコピー、租税総局からの税金清算証明書のコピーを提出します。また、これらは、1セット控えとして返却されるよう要請するため、3セット用意していく必要があります。
また、その他の関連当局においては、国家社会保険基金(NSSF)への通知が必要になります。社会保険調査官又は NSSF の長官は、会社の一時的あるいは恒久的な閉鎖についての
必要な情報を当該閉鎖後 30 日以内に NSSF に提供することを事業者に要請することができます。特別な規制は、今のところありませんが、NSSF に登録している会社はその閉鎖を決定した場合、閉鎖の理由と NSSF への拠出を停止する旨を記載した通知書をNSSF に提出することが望ましいです。この際の書類は、NSSF の押印/職員の署名のある書類を用意し、これを1セット控えとして要請するため、3セット用意します。

 

カンボジアにて事業を撤退する際には、様々なところで手続きを行う必要があり、時間もかかることが普通です。さらに、日頃、法律も常にアップデートされ、手続きの方法が変わる場合も少なくありません。

撤退手続きをする際は、コンサル会社や法律事務所などの現地で活動している専門家に相談することをおすすめします。

今回は以上とします。
今週も読んでいただき、誠に有難うございます。
次回も皆様に有益な情報を提供できたらと思います。
どうぞ宜しくお願い致します。

 

株式会社東京コンサルティングファーム

カンボジア拠点

安藤 朋美

 

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