カンボジア企業経営への心得

経営

皆様こんにちは、カンボジア駐在員の澤柳です。             

さて、今回は「カンボジアで実際にあった税務事例」をご紹介していきたいと思います。

 

支払家賃に発生するWithholding Tax とVAT

 

<事例>

会社のオフィス家賃や駐在員社宅に関するVAT10%、及びWHT(Withholding Tax)10%を会社が負担している理由が不明確であり、会社の負担を軽減する別の処理方法などがあるか。

 

 

<弊社回答>
1. それぞれの税の性質について

WHTの性質は「源泉所得税」であり、VATの性質は「消費税」です。日本でも例えば弁護士や税理士に報酬を払う場合など、消費税とは別に源泉徴収税が発生致しますが、理論的に構造は同様であります。

つまり、WHTがVATとは別にオフィス家賃に対して発生する理由は、家主の所得税を「前払いで効率的に」徴収するための仕組みとなっているためであり、それをテナント側が所得者(家主)に代わって毎月徴収・納税しているという構図になっています。

 

そのため、家主が個人、法人に関わらず、家賃にかかるWHT10%は発生します。
また、家賃の他にも、ロイヤリティや利息に関しても扱いは同様であり、WHTは個人・会社問わず発生します。

しかし一方で、本来家賃の支払いから源泉徴収するべきところを、家主が源泉徴収させてくれない、または経理も源泉徴収の意味を理解していない現実があり、結果的に企業がWHTを源泉徴収せず直接負担することとなります。

 

2. 理想的な処理

以上より、理想的なWHTの処理は、企業がWHTを家賃支払いから源泉徴収して、納税することとなります。

 

しかしこの処理には、家主の協力が必要です。

家主の本来の会計処理は、貴社に源泉徴収されたWHTを「WHT Credit 」として資産計上し、それを将来の法人税と相殺することが求められます。(参照:Tax on Profit Prakas)

 

VATとは異なり、あくまでもWHTを徴収される側(家主側)は、「前払いの所得税」を払っているのであり、何か特別に税金を負担しているわけではありません。

 

3. 検討事項

現実として、家主が税制を理解できなかったり、テナントがWHTを負担する商習慣が定着していることから、この源泉徴収には家主からの抵抗があると予想されます。

 

また、実際に家主との契約上では一般的に、「家主の手取り金額」を保証するための文言が記載されています。

そのため、もし仮にWHTを源泉徴収することを家主と合意できたとしても、WHTの分だけ家賃がグロスアップされ、会社の支出額は、結果的に変わらない可能性があります。

 

しかし、弊社お客様でも家主と交渉しWHTを源泉徴収できている企業があります(Parkwayのオフィスにて)ので、もし負担を軽減するという観点では別のオフィスへの移転も検討材料の一つになるかもしれません。

 

澤柳 匠

 

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