皆様こんにちは、カンボジア駐在員の西山です。
今回は「食料品に関わるVAT免除」についてお話しします。
付加価値税(VAT:Value Added Tax)とは、カンボジア国内における物品、 サービスの消費に対して課される間接税であり、税金の負担者は最終消費者です。
VATの負担者は最終消費者ですが、納付義務を負うのは、VAT課税対象物品の販売あるいはサービスの提供を行う事業者(VAT登録事業者)等であり、個人・法人を問わず納税義務が発生します。
したがって、物価や人件費といった原価の上昇により、商品価格が上がり、10%のVATも影響し最終消費者の負担となります。
そのため、経済財政相は基本的な食料品の価格を抑え、カンボジア国民の生活基準の引き上げを目的として、基本的な食料品のVAT免除に関するPrakas 361を公布しました。
このPrakasは、申告納税方式を採用しているカンボジア納税者(小規模、中規模、大規模納税者)によって販売される基本的な食料品に対して適用されます。
Prakasに規定されている基本的食料品は以下の通りとなります。
・牛、水牛、山羊、羊、豚、鳥などの肉類(生、調理済み、乾燥肉を含む)
・ロブスター、エビ、甲殻類などの海産物(生、調理済み、乾燥肉を含む)
・あらゆる種類の砂糖
・塩
・魚醤、醤油などの調味料
注意点としては、レストラン等で提供される食品にはこのVAT免除の適用がされません。
しかし、仕入れの価格を抑えられることにより、結果的にVAT免除の恩恵を受けられる
可能性はあります。
このPrakasについては2019年末まで適用されます。
このような免除はカンボジアだけではなく、他国でも見られます。例えばオーストラリアでは、免除を受けられる食品をデータベース等で検索することが可能です。しかしカンボジアの場合そういったものはありません。
このようなPrakas等が公布される度に、何が規定の範囲に含まれるのかが非常に曖昧になります。
納税者がこのPrakasの基本的な食料品の範囲に含まれない食品に対して10%のVATを
徴収・納付をしなかった場合、罰金・遅延利息等の追徴の対象となります。
そのため、それぞれの食料品について、このPrakasに従いVAT免除の適用を受けられるかどうか事前に経済財政省、税務局等に問合せ、確認することが必要となります。
今週は以上になります。
西山 翔太郎