こんにちは、カンボジア駐在員の東真奈美です。
前回は、カンボジアの経済特別区(SEZ)について、簡単にご紹介しましたが、実際にカンボジアに進出するにあたって、経済特別区(SEZ)に進出すべきか?それとも経済特別区(SEZ)以外に進出すべきか検討することになると思います。
経済特別区(SEZ)は、インフラ(電気、給水、排水など)が整備され、カンボジア政府への役所手続がワンストップで処理してくれる事務所を有しています。
カンボジア開発評議会(CDC)、関税総局(GDCE)、商業省(MOC)、カムコントロール(検証機関)、労働職業訓練省及び州・特別市代表が経済特別区(SEZ)内の事務所に常駐しているので、通関、検量、原産地証明、労働許可など生産活動に必要な手続きをプノンペンの本庁まで行かずに、ワンストップで完結できるのは大きな利点だと思われます。
経済特別区(SEZ)以外へ進出するとなると、土地や建物につき信頼できる地主や家主を見付ける必要があります。権利関係のトラブルを防ぐためには、カンボジアの大手不動産業者に仲介してもらう必要も出て来るでしょう。
税制については、経済特別区(SEZ)のQIPだけにある特典として、下記のVAT免税措置があります。
(1)輸入加工型QIP:原材料、建材資材、生産設備へのVAT免税
(2)国内市場型QIP:建設資材、生産設備へのVAT免税
経済特別区(SEZ)以外のQIPですと、輸入時に支払、輸出時還付となります(ただし、縫製業、製靴業については、輸入時免税)。
よって、経済特別区(SEZ)内に進出した方が、何かとスムーズに生産活動ができるのではないかと、思います。ただし、経済特別区(SEZ)に対する維持管理費コストが必要になりますし、経済特別区(SEZ)内のルール等に従う必要がありますので、全体のコスト計算や事業戦略に照らし合わせてどちらに進出するか検討する必要ではないかと思います。
以上