皆様こんにちは、カンボジア駐在員の澤柳です。
さて、今回は「機能は形式に従う」についてお話しします。
とある心理学者が1992年に発見した現象があります。人が創造的にものを考えるプロセスは二つのパターンのいずれかをたどると言われます。
一つは、問題から出発してそれをどうやって解決すればいいかを探るという方法。もう一つは、解決策から出発して、それによってどういう問題を解決できるかを考えるという方法です。
彼らの研究によれば、人は前者より後者のアプローチを実践する方が得意だと言います。例えば、ミルクの温度によって色が変わる哺乳瓶を見せられ て、それがどういう役に立つと思うかを聞かれた場合、たいていの人はすぐに熱すぎるミルクを飲ませて赤ちゃんを火傷させないために使えると言いま す。
しかし、逆の質問、つまり赤ちゃんを熱いミルクで火傷させないためにはどうすればいいかという質問をした場合には、温度によって色が変わる哺乳瓶 というアイデアを思いつくまでに多大な時間を要します。
この点において、東京コンサルティングファームが皆さんにお伝えする心と技をしっかり学び実務に応用することで、自ずと「温度によって色が変わる哺乳瓶」というアイデアに到達できるということです。
そしてそのあとは、知識と経験をもとにそのアイデアがお客様にどういう役に立つかを自分自身の頭で逆算して考え実行すれば、非常に早くプロとして活躍ができるのだと思います。
つまり、まず、何よりも先に「心と技」とは何かを理解し、それを実務に応用することで「形式」を生み、その後でそれがどういう「機能」を 果たせるかを考えることがプロになるための一つの指針になると私は思っています。
有名な「守破離」のお話のように、機能は必ず形式に従うのです。
澤柳 匠