皆様こんにちは、カンボジア駐在員の澤柳です。
さて、今回のテーマは「働く者に求めるもの」です。
ドラッカーは、その著書の中で次のように述べています。
「働く者との関係においてまず問うべきは、彼らに何を求めるかである」
この問いに対する、決まり切った答えは「正当な一日の報酬に対する正当な一日の労働」となるでしょう。
しかし、報酬と労働のいずれについても、正当とは何かは定義することができません。
それ以上に問題なのは、この言葉が働く者に少ししか要求せず、しかも間違ったものを要求していることにあるとドラッカーは言います。
要求すべきは、何にもまず、組織全体の目標への貢献でなければなりません。
働く者から何かを得ようとするならば、正当な労働よりもはるかに多くを求めなければなりません。正当さを超えた貢献を求めなければなりません。
一方で経営者は、働く者に対して従順さなど求めてはいけません。逆に、攻撃的な文化を生み出すことを求めなければならないでしょう。
要求されるものが大きいほど、人は多くを成し遂げます。要求が大きいほど、人は多くを生み出すものです。それが、人間という存在の特性でもあります。
しかも人は、誇れるものがあってのみ、誇りを持ちます。何かを達成したときにのみ、達成感を感じます。仕事が重要なときのみ、自らを重要と感じるのです。
高い水準を要求することほど、仕事の改善に挑戦させるうえで効果的なものはありません。仕事と自己実現の誇りをもたらすものはないのです。
ドラッカーは、「絶えざる努力によってのみ実現される最高水準の仕事に焦点を合わせるとき、動機づけが行なわれる」と結論づけています。
澤柳 匠