皆様こんにちは、カンボジア駐在員の澤柳です。
さて、今回のテーマは「知識組織」です。
今先進国では、あらゆる組織が専門家によって構成されている知識組織となっています。また、新興国でもそのような現象は起きつつあります。時代とともに上司が部下と同じ経験をしたことがなくなり、部下の貢献を評価できるだけの知識を持つ上司も実際は少なくなります。
もちろん、いかなる知識も他の知識より優れているということはなく、それぞれの専門性の責任と貢献の内容が異なるだけです。この意味において、上司と部下という関係が現代社会ではフラットになっていくとドラッカーは明言しています。
同じ専門家同士としてのチームが構成され、現代社会では横のつながりが強化されていきます。専門家としての信頼関係がチームを強固なものにし、これがCSFとなり、顧客への貢献度を高めます。
特に、専門家によってのみ構成される組織の場合においては、尚更この組織の変化の速度と度合いは他の組織と違うものになります。縦の組織では時代とともに専門家は生き残れなくなります。それは、縦の組織が悪いということではなく、時代がそうさせます。そして、徐々に先進国ではそのような組織が生き残れなくなるなります。
組織形態の研究したミンツバーグ(Mintzberg)も、Professional Breaucracy(専門家組織)の重要視すべき組織パーツはOperating Coreであるとし、専門性の高い個の集まりこそ、他の一般事業者と差別化され社会から存在意義を与えられる重要な要因だと説明しています。
時代の流れと同様に知識組織を目指すのかはマネジメントの意思決定の範囲であり、もし知識組織を目指すのであれば、組織が個を専門家として生き残らせるための環境を提供できるように組織を変えなければなりません。組織に変化のない組織は長期にわたり生き残ることはできません。
澤柳 匠