皆様こんにちは、カンボジア駐在員の澤柳です。
さて、今回のテーマは「失敗に対する評価」です。
失敗には2種類あります。挑戦の結果としての失敗と手抜きによる失敗です。
後者であれば論外ですが、真剣に取り組んだ結果であれば、挑戦したことに対して評価しなくてはなりません。
挑戦に挑まない者は失敗することはありません。しかし、評価に値するほどの成果をつくることもありません。 間違いを犯したことのない人間は減点されないが、加点されることもありません。その結果として、進歩もありえないのです。
新たなことに挑戦する人間は、常に失敗をしています。失敗することで、成長することを知っているからです。落とし穴に落ちたこと(失敗したこと)のある人間は、その落とし穴がどの程度深く、どれだけ痛いのかを知っています。そして、その落とし穴に警戒し、落とし穴に落ちる前に落とし穴を見つける感性が育っていきます。更にまた別の落とし穴に落ちても、這い上がる能力を身に付けることができるでしょう。
しかし、落ちる前に、手を差し伸べられた人間は、落ちることは免れることがてきるかもしれませんが、回避する能力を会得する機会を逃すことになります。高所恐怖症のように日々の生活の中で落ちる恐怖を感じるようになり、自分の行動を狭め続け、落とし穴から這い上がる術を60歳を過ぎてもわからないということになります。
ドラッカーは、以下のようにその著書で述べています。
『信用してはならないのは、決して間違いを犯したことのない者、失敗したことのない者である。そのような者は、無難なこと、安全なこと、つまらないことにしか手をつけない。成果が打率であることを知らないならば、横並びを成果とし、弱みがないことを強みと誤解する。そのようなことでは、組織の意欲を失わせ、志気を損なう。人は優れているほど多くの間違いを犯す。優れているほど新しいことを行うからである』
澤柳 匠