カンボジア現地法人の設立実務について8

労務

こんにちは、カンボジア駐在員の東真奈美です。

今回は、カンボジアの最低賃金についてお伝えしたいと思います。

カンボジアに進出するメリットとして、「安価な労働力」がまずあげられます。中国・タイ・ベトナムは、労働賃金の上昇や労働力不足の問題が出ているので、より安価な労働力の国に進出を検討しています。

下記の表は、最低賃金の比較ですが、後発発展途上国であるカンボジア・ミャンマー・ラオスがタイやベトナムの半分以下であることが分かるかと思います。

☆表組入る☆

カンボジアの最低賃金は61ドル/月ですが、その他手当として義務化されたものもあり、下記にようになっています。

(1)最低賃金:月額61米ドル(2010月10月~2014年)

※ただし、試用期間3ヶ月は56米ドル

(2)その他手当

皆勤手当:7米ドル(2011年3月から義務)
通勤手当:7米ドル(相場)
住宅手当:7米ドル(相場)
残業時食費手当:2,000リエルもしくは食事支給(1日1回)(2011年3月から義務)
災害保険(国家社会保険基金;NSSF):0.8%(縫製業は0.5%)
ボーナス:1か月分(相場)
年功手当:2年勤続2米ドル、以降年1米ドル、11年勤続11米ドルまで(2011年3月より義務)

最低賃金に加えて、残業代、その他手当を加算すると、実際の支給額は月額約100米ドルになると思われます。

食事につき、経済特別区に入居している多くの日系企業は、食堂を完備して食事を支給しています。ある日系企業は、1日1回の食事支給を、昼食ではなく朝食にし、朝7時に支給することにしたら、遅刻者が減り、空腹で倒れる従業員が減ったと言っていました。

ワーカーの定着率向上は、生産性を上げる意味で非常に重要になってきます。その方法として、中国や台湾系の企業は、賃金を上げることにより対処しようとする傾向が強いですが、日系企業は綺麗な食堂の完備や社員旅行や通勤手段(家畜のようなトラックではなく、マイクロバス)の提供など福利厚生を手厚くする傾向が強いのが特徴です。

以上

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