カンボジア会計業務・運用上の留意点

税務

 

皆様こんにちは、カンボジア駐在員の西山です。
今回は「カンボジア会計業務・運用上の留意点」についてお話しします。

 

カンボジアでは、国際会計基準を適用したCIFRS又はCIFRS for SMEが適用されています。

しかしながら、カンボジアをはじめとする新興国では、法律・税制度・会計などを含めた社会的なインフラが整然と確立されたものではありません。会計のルールは、法の下で商取引が行われ、成熟した企業群が存在し、資本市場での資金調達などのルールと整合的に定め、国家の法制度や慣習を織り込み制定される必要がありますが、カンボジアにはそのような高度な社会的インフラが整合的に構築されていません。

 

また同時に、カンボジアでは会計に関しての人材も十分ではなく、現地の会計事務所に会計業務を委託していたとしても、後々の税務調査などで確認された際に、記帳などの会計処理が適正に行われておらず、莫大な追徴課税を課せられるということも実際に起きています。また進出直後の企業にとって、会計などの管理業務にかけられるコストは決して高くなく、低コストで経験の浅い経理担当者を雇い業務を進めるケースが散見されます。進出直後の会計記録等の不整備により、結果として数年後に修正のための追加コストや、税務調査等で不備を指摘され、莫大な追徴金を請求されるケースも散見されます。

カンボジアは国際会計基準に準拠しているとはいえ、実際に携わる人材が追いついていないため、進出直後は、本社の経理部門による監督を行う、現地の専門家をしっかり比較し信頼できる会計事務所等に依頼をするなど、留意する必要があります。

 

また近年では、税務当局もカンボジア企業の税務コンプライアンスに力を入れており、税務調査なども頻繁に行われているため、税務対策を重視する傾向が見られます。そのため、企業側も税務リスクに対する意識が傾倒し、社内の会計、経理関係の整備に意識が向いていない傾向にあります。しかし、税務の基本は会計となるので、適切な人材又は専門家の選択が、リスクを回避する最も有効な対策となります。

 

今週は以上になります。
ご不明な点などがありましたら、お気軽にご連絡下さい。

 

 

株式会社東京コンサルティングファーム カンボジア拠点
西山 翔太郎

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