カンボジア企業経営への心得

経営

皆様こんにちは、カンボジア駐在員の澤柳です。             

さて、今回のテーマは「企業の特質」です。

 

ドラッカーは、その著書「断絶の時代」で次のように述べています。

『企業には、政府に不可能な二つのことができる。
第一に、事業をやめることができる。市場で活動しているならば事業をやめざるをえなくなることがある。
第二に、企業は社会がその消滅を許す唯一の組織である。企業は仕事ぶりを厳しく評価される。
消費者は製品がどれだけ役に立つかだけを考える。役に立たなければ、それをつくった企業が消滅しても残念とは思わない。投資家も残念とは思わない。
企業が優れている最大の理由は、利益の機能にあるのではない。赤字の機能にある。だからこそ企業は、あらゆる組織のうち最も適応性に富み、最も柔軟である。』

企業は、自由に設立ができます。設立した企業は、消費者によって評価され、企業は、その存在価値を、消費者の意思によって知ることができます。 ドラッカーは、企業の本質は、企業の外である顧客に成果をつくることである、と述べています。

この成果をつくる機能が充分に果たされているかどうかを、事業主に認識させる機能が赤字の機能なのです。 「赤字だ。大変だ。・・・来期はなんとかなるだろう!」と一杯飲んで寝る前に、顧客への成果をどれだけ創りだしているかを、真剣に考えなければなりません。
企業が世の中にとって必要か否かを判断するのは企業ではなく、消費者なのです。それを企業に知らせる機能が赤字の機能である、とドラッカーは述べています。

事業の方向性を変えることも、新たな企業体質への転換を図ることも、そして、撤退することも、企業は自分の意思でできるためにこれまで「企業」というものが社会に存在し続けているのだと思います。

 

 

澤柳 匠

 

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