カンボジア企業経営への心得

経営

皆様こんにちは、カンボジア駐在員の澤柳です。             

さて、今回のテーマは「何のための経営か」です。

 

ドラッカーのあらゆる思想の根底には、人を大切にする心があります。現代社会が組織社会になるにつれて、組織を正しくマネジメントしなければ人々は自由を得ることができないと考え、人が幸せに社会で生きていくためのマネジメントを研究し続けました。

多くの経営学者との違いはここにあります。
何のための経営かという質問に対し、多くの経営学者は会社を成長させるため、より多くの利益を上げるためと答えるでしょうが、ドラッカーは人々の幸せのためと答えます。私はドラッカーの数ある著書の中でも、この考え方に一番感銘を受けました。

普通の人は、日々の仕事に埋没してしまい、気がつけば他の人ではなく自分たちのことを考えた目標を立ててしまいがちです。人の幸せを願っていたつもりがいつの間にか自分たちがいかに仕事をこなすかに焦点を当ててしまいます。顧客が見えなくなってしまいます。手段が目的を正当化してしまいます。

例えば、顧客は誰かと問われた時、普通の人はまず現顧客を思い浮かべるでしょう。
しかし、実際に、現顧客の中にも自分たちの真の顧客ではない顧客が含まれていることがあります。
それは自分たちを小間使いのように扱っていたり、本来提供しているサービスとは別の対応に時間と労力がかかっているような顧客であり、顧客の奴隷と化しているケースがよく見受けられます。

それは、経営の理念、何のための経営かが明確でないため、顧客も従業員も勘違いをしてしまった結果起こる現象であり、マネジメントの責任以外の何物でもありません。

何のための経営か、何のための経営であるべきか、答えは簡単かもしれませんが、決して忘れてはいけない質問です。

 

 

澤柳 匠

 

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