カンボジアスタッフが取れる休暇について

労務

皆さま、こんにちは。カンボジア駐在員の安藤です。
今回は、カンボジアスタッフが取れる休暇についてお話ししたいと思います。

 

カンボジアでスタッフが取れる休暇が何か、日本とちがってよくわからない、実は有給休暇以外の休暇を知らないということがあるのではないでしょうか。

 

カンボジアで従業員が取れる休暇は以下になります。
・有給休暇(Annual leave)
・特別休暇(Special leave)
・出産休暇(Maternity leave)
・病気休暇(Sick leave)

 

有給休暇(Annual leave)
全ての労働者には、最低でも年間18日の有給休暇を与えなければなりません。年次有給休暇日数は、勤務3年間に1日の割合で増加します。もし、同じ会社に4年勤務した場合は、年次有給休暇は19日となります。
労働者は1年間勤務した後に有給休暇を利用する権利が発生します。つまり、労働者は、勤務1年目に取得した有給休暇を勤務2年目に利用することができるということです。
労働者が有給休暇を利用する権利を獲得する前に労働契約が終了した場合、勤務期間に応じて1月当たり1.5日分の補償金が労働者に対し支払われます。
また労働者が有給休暇を取得する前に、雇用者は有給休暇日数分の賃金を支払う必要があります。

労働法上で2年目から有給休暇の利用可能となっておりますが、実質1年目から利用しているのが現状です。

 

特別休暇(Special leave)
労働法では、以下の事由に該当する際に取得できる特別休暇として、年間で7日間までの有給付与を規定しています。

A.労働者本人の結婚
B.労働者の配偶者の出産
c.労働者の子どもの結婚
D.労働者の配偶者、子ども、両親の病気・死亡など

ただし、年次有給休暇日数が残っている場合は、雇用者は年次有給休暇から特別休暇を差し引くことが可能です。

 

出産休暇(Maternity leave)
企業に1年以上勤続している女性労働者は90日の出産休暇をとる権利を有しています。出産休暇中においては給与の50%を支払わなければならず、出産休暇明け職場復帰の最初の2カ月間は、軽作業のみに従事させる必要があります。
また、労働者は出産後1年間に限り、子供への授乳のために1日あたり1時間を使用する権利を有しています。授乳の時間に関する規定は、雇用者と労働者の合意により定める事ができますが、特段の合意がない場合は原則として労働時間の中間にて時間を設けることとなります。

 

病気休暇(Sick leave)
労働者は医師の診断書がある場合、6カ月間の病気休暇を取得する権利を有しています。
雇用者は、病気休暇中の労働者に対して給与を支払う義務はありません。
しかし、労働省は、企業に対し、企業内の規則に以下の病気休暇に関する事項を定めることを求めています。

 

A.病気にかかった労働者が医師の診断書を提出した場合、企業は、1カ月目は賃金全額を支払う。
B.2カ月目と3カ月目は賃金の60%を支払う。4カ月目から6カ月目までは賃金は支払わないが、勤続年数は加算する。労働者が6カ月以上病気休暇で休んだ場合、企業は法律に従い労働者を解雇する。

 

カンボジアは「違法」に敏感であることや従業員のジョブホッピングが激しいため、企業を守り、従業員が帰属したくなる環境を作るには、上記のようなことを会社で積極的に取り組んでいることが大事だと思います。

 

今回は以上とします。
今週も読んでいただき、誠に有難うございます。
次回もどうぞ宜しくお願い致します。

 

 

株式会社東京コンサルティングファーム  カンボジア拠点
安藤 朋美

 

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