こんにちは。
東京コンサルティングファームブラジルの濱咲克心です。
今週はブラジルにおける新しいプログラムROTA2030に関して記載します。
2018年7月、暫定措置令(MP: Medida Provisória) 843/18が承認され、Decree n 9,557/18によって規定されました。この法令は”ROTA2030”と呼ばれる、ブラジル国内の自動車メーカーに対する新しい税制制度を定めた自動車政策となります。
このプログラムによって、自動車産業は税制インセンティブを受け取ることが可能となり、それによって、自社製品やテクノロジーへの研究開発に対し、さらに投資させることを目的としています。
改正法令の起案は、ブラジル国内にある自動車メーカーによって作成され、当時の大統領Michel Temer氏へ提出されました。その目的は、自動車製造と商業化のルールを定義し、また、このプログラムによって、各企業がどれほどの投資を行い、新しいモデルが開発されることに対し、どれほどのコストがかかるのか、を説明することを意図としています。
議会での検討段階において、その内容は北部、北東部および中西部地域により追加修正を加え、その他の地域との合意を得ることなく修正されました。これらの協定には、物流コストを控除するために、ペルナンブーコ、バイーア、ゴイアス州にある工場に対するインセンティブが含まれており、それは自動車が購入されるブラジル中央部から地理的にかなり離れており、またサプライヤーも非常に少ないことが理由に挙げられます。
主なポイントの一つは、エネルギー効率に対する新たなターゲットが設定されたことであり、エネルギー効率を高めるための技術開発は、ブラジル国内でさらに投資されるべきであるとしています。
このROTA2030プログラムは、3段階に分かれ、それぞれ5年間ずつ続くことになります。すでに始まっている第一段階の期間は、2018年から2022年までの5年間とされています。
ROTA2030プログラムの定義によれば、ブラジル国内企業が新製品の開発を行うことにより、環境面での安定性と予測可能性を高めることができるとしています。
加えて、もちろん経済面から見ても、目標基準を達成する為、各企業が競い合いながら研究開発を進めることにより、各企業は税制インセンティブの恩恵を受けることができ、そしてそれは経済危機からの脱却を図るブラジル市場において、今日必要不可欠なものと言えます。
以上
濱咲克心
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