こんにちは。 東京コンサルティングファーム ブラジル駐在員の金内です。
今週はブラジル労務について記載いたします。
前回に引き続き、就業規則、HRポリシーについて記載します。
今回は、労働法482条に基づく正当な理由による解雇(Demissão indireta, na forma do artigo 482 da CLT)について書いていきます。
前回ブログで退職・解雇要因の分類をしましたが、そのうちの1つとして、労働法によって正当な理由と定義された解雇事由による解雇があります。
労働法482条によれば、以下が企業が従業員を解雇するうえでの正当な理由と定義しています。
- Ato de Improbidade – Alínea A / Act of misconduct – Subparagraph A
不誠実な行為
- Incontinência de Conduta ou Mau Procedimento – Alínea B / Incontinence of Conduct or Bad proceedings – Subparagraph B
品行不良、行状不良
- Negociação Habitual – Alínea C / Ordinary trading – Subparagraph C
自己利益のための行為
- Condenação Criminal – Alínea D / Criminal conviction – Subparagraph D
有罪判決
- Desídia – Alínea E / Negligence – Subparagraph E
怠慢、任務懈怠
- Embriaguez Habitual ou em Serviço – Alínea F / Ordinary drunkenness or Service – Subparagraph F
常習および就業中の飲酒
- Violação de Segredo da Empresa – Alínea G / Leakage of trade secrets – Subparagraph G
企業秘密の漏えい
- Ato de Indisciplina ou de Insubordinação – Alínea H / Act of Indiscipline or Insubordination – Subparagraph H
規律違反、命令違反
- Abandono de Emprego – Alínea I / Abandonment of Employment – Subparagraph I
職場放棄
- Ofensas Físicas – Alínea J / Physical Offenses – Subparagraph J
暴力行為
- Lesões à Honra e à Boa Fama – Alínea K / Defamation of character– Subparagraph K
名誉棄損
- Jogos de Azar – Alínea L / Gambling – Subparagraph L
賭博行為
- Atos Atentatórios à Segurança Nacional / offensive Acts to National Security
国家の安全保障に対する侵犯行為
上記に該当する従業員に対しては、企業は労働法482条による正当な解雇理由に基づき解雇することが可能となり、企業側は即時解雇を行うか、解雇通知を行い一定期間経過後に解雇するかを選択することになります。正当な理由に基づく解雇と、正当な理由に基づかない解雇の違いは、上述の通り解雇事由が労働法に定義されている正当な理由に則しているか否かということですが、正当な理由である場合と、、正当な理由でない場合では、企業が負担する解雇時の費用が大きく異なり、つまり、従業員側も享受できる手当が大きく異なるなるため、双方の利害関係が衝突するポイントです。そのため、解雇事由の選択には、細心の注意を払い、弁護士などの専門家に相談の上、対応されるのが良いでしょう。
以上
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