こんにちは。東京コンサルティングファーム ブラジル駐在員の金内です。
今週はブラジル労務について記載いたします。
DSRとは、DESCANSO SEMANAL REMUNERADOの略で、直訳すると「週の有給(WEEKLY PAID REST)」となり、ブラジル連邦共和国1949年1月5日制定法律第605号(LEI Nº 605, DE 5 DE JANEIRO DE 1949)によって保障された、ブラジル企業で働く従業員の休日の権利を意味しています。CLT(統一労働法)によれば、通常は日曜日がDSRの対象となりますが、就業形態によっては、その他の曜日になる事もあります。
Consolidação das Leis do Trabalho (CLT)
Art. 67 – Será assegurado a todo empregado um descanso semanal de vinte e quatro horas consecutivas, o qual, salvo motivo de conveniência pública ou necessidade imperiosa do serviço, deverá coincidir com o domingo, no todo ou em parte.
Parágrafo único – Nos serviços que exijam trabalho aos domingos, com exceção quanto aos elencos teatrais, será estabelecida escala de revezamento, mensalmente organizada e constando de quadro sujeito à fiscalização.”
全ての労働者は、週のうち連続24時間の休息時間を保証される。休息時間は、公共の便益または業務が切迫した状況を原因とする以外は、全部または一部、日曜日に一致するものとする。
単項:日曜日の労働を要求する業務においては、劇場の要員に関するものを例外として、月単位で編成され、査察に提供される表に記載する交換制で定めるものとする。
(※本件詳細は、本ブログ別回【ESCALA DE REVEZAMENTOについて】をご参照ください)
ブラジルでの従業員の給与計算は、従業員の給与を営業日の日数ではなく、原則30日で計算することになります。(ちなみに、日給労働者の賃金は、CLT第65条規定により、CLT第58条規定の労働時間に対応する日給額を実際の労働時間で除して計算します。)
Consolidação das Leis do Trabalho (CLT)
Art. 64 – O salário-hora normal, no caso de empregado mensalista, será obtido dividindo-se o salário mensal correspondente à duração do trabalho, a que se refere o art. 58, por 30 (trinta) vezes o número de horas dessa duração.
Parágrafo único – Sendo o número de dias inferior a 30 (trinta), adotar-se-á para o cálculo, em lugar desse número, o de dias de trabalho por mês.
月給労働者の場合、通常の給料は第58条に規定されている労働時間に対応する月額賃金を、その労働時間の30で除して計算する。
単項:ひと月の日数が30日に満たない場合、計算上は上記日数の代わりに月間の労働日数を使用する。
(※CLT第58条規定:1日の労働時間は8時間を超えないものとする)
従って、DSRとは、30日間で除した日数(給与計算上の営業日数)のうち、CLT第67条に規定されている権利よって保護された有給休暇ということになり、従業員雇用時に設定した月額給与は、当該DSRを含んでいる金額となります。また、DSRの算出数値は、月間の残業による賃金の上昇や、年次有給休暇の支給額の計算にも影響を与える点に注意が必要です。
月給労働者の場合
2016年7月:DSR(日曜日)5日/ 営業日21日間(土曜日 5日間)
月額給与:R$ 4,200.00
DSR = (月給額 x DSR日数) / 営業日
DSR = (4,200.00 x 5) ÷ 21
DSR = R $ 1,000.00
給与計算において注意すべき点は、DSRは週の営業日において連続勤務した従業員に対して与えられている権利であるため、営業日に休暇を取った場合(CLT第473条に規定されている正当な理由による休暇を除く)、当該DSRを失うことになります。つまり、土曜日・日曜日を非稼働日としている企業の従業員は、DSRで保障された日曜日の有給を失い、且つ非稼働日であり出勤が出来ないため、1日分の給与と1日分のDSRを失うことになります。
ブラジル企業にとって、労務債務は会社運営の最大の懸念事項でもあります。労働法や給与計算システム、新システムであるe-Social等をよく理解し、リスクを回避する手立てを今一度見直す必要もあるのではないでしょうか。
給与計算方法・DSR、有給休暇等の理解や従業員の給与設計を計画する際は、該当法規の確認と専門家の意見をもとに対応されることをお勧め致します。ご不明点・ご質問等が御座いましたら、是非弊社までご連絡下さい。
以上
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