ブラジルにおける外注(自営業者)契約について

 

こんにちは。
東京コンサルティングファーム・ブラジルの田村彩紀です。
今週は、ブラジルにおける外注(自営業者)契約に関して記載をいたします。

 

質問)
スタッフの雇用形態の検討をしており、労働法によると外注契約のような形態があると聞きました。これについて詳しく教えていただけないでしょうか。

 

回答)
ブラジルの統一労働法(CLT:Consolidação das Leis do Trabalho)では、2017年の11月の改定の際に、新たにいくつかの事項が追加されておりますが、外注契約、正しくは自営業者契約に関する条項もその1つとなります。
自営業者契約とは、ポルトガル語で、“Contrato de Autônomo”と言い、契約している企業から独立し、従属性のない契約関係の中、経済的な活動を行う業者を意味いたします。通常の雇用関係を持つ従業員ではないため、CLTに記載のある従業員に与えなければならない福利厚生やその他適応される事項は、自営業者に対しては該当しないこととなります。

 

なお、ブラジルの統一労働法の第442条に、以下の内容が記載されております。
Art. 442-B. A contratação do autônomo, cumpridas por este todas as formalidades legais, com ou sem exclusividade, de forma contínua ou não, afasta a qualidade de empregado prevista no art. 3o desta Consolidação.

これは、「法的条件を満たした場合、継続的な契約であっても、 CLT 3条に記載されている雇用契約とはされない」という内容になります。

 

また、ブラジルでも、外注契約と同様、自社の従業員でない契約形態として、派遣契約(Terceirização)というものが存在いたします。こちらは、2017年より施行となった派遣法にてルールが定められております。企業が抑えるべき重要なポイントとして、本来、派遣会社から従業員に対して支払う給与を派遣会社が滞らせた場合、派遣先である企業に対して支払いの責任を求められることとなります。そのため、派遣先の企業は、従業員のペイロールやその他の雇用に関わる情報を、派遣先に対して提供することを求めることも可能となります。

2017年の統一労働法会制後、上記の自営業者契約や派遣契約の新たな規定・改正により、労務関連の裁判は減っている傾向にございますが、従業員保護の強い国では、企業にとって悩みの種の1つであるということには変わりはないと考えられます。

 

弊社では、労務関連に関わる、契約書の作成やレビュー、その他のアドバイザリーサービスを行っておりますので、まずはお気軽にお問い合わせいただけますと幸いです。

お読みくださりありがとうございます。

 

 

 

 

株式会社東京コンサルティングファーム・ブラジル拠点

田村彩紀

 

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