ブラジル着任報告と現地環境について

こんにちは。東京コンサルティングファーム・ブラジル駐在員の金内です。
今週は、ブラジル着任報告と赴任者にまつわるブラジル投資環境について記載いたします。

3月初旬よりブラジルに着任し、現地にて生活しておりますが、いざ実際の生活を始めてみると、想像以上に言語の問題が大きい点や、日本と比べて社会のシステムが複雑である点に改めて気付かされます。ブラジルの母国語はポルトガル語(正確にはブラジルポルトガル語と呼ばれています。)で、街にあるスタンド型の飲食店や路面店では、殆どの方が英語の基本単語や基本挨拶も分かりません。今の所、スターバックスでコーヒーを買うのも一苦労です。
ビジネスにおいてもポルトガル語が主に使われており、国際取引を行う企業ですら、英語が使用できるスタッフはとても少ないと言われています。そのため、英語ができる人材、特にマネジメントクラスの人材は母数が少なく、どの企業も膨大な資金をかけて採用活動を行っています。私がいるサンパウロは、南半球で一番の大都市であり、もちろんブラジルにおいても経済の中心となっています。そのサンパウロにおいても、ここまで上記人材の採用が難しいとなると、北部最大の工業地帯であるマナウスフリーゾーンや、今後発展が見込まれている地域での採用は困難を極めると容易に想像できます。今後の経済成長とW杯、オリンピックにむけた国際化の流れの中で、人材紹介・人材派遣の分野が大きく伸びると思われます。

ここ数年のブラジルの経済成長は、昨年のGDP成長率である+1%などから考えると、とても良いとはいえない状況にあります。直近2年では年末に発表する翌年の成長率予想を4~5%とするものの、毎年半期で見直しが入り、年が終わってみれば低い成長率となっています。

今後控えたW杯とオリンピックに向けて、各業界が注目しているものの、いまひとつ投資や経済成長が伸び悩んでいる主な原因は、近隣諸国、特にメキシコへの注目度の高さと、ブラジル国内の関税等に対する高い税率と複雑な税制にあります。ブラジル政府は、これらの点を重要課題として、メキシコとの2国間条約の見直しや税制の見直し、税の徴収対象の調整などを行っていますが、いまひとつ機能していないのが現状です。現大統領であるルセフ氏の任期が折り返し地点にある今年、次期大統領選挙へのPRも勘案され、今後の動向と目に見える成果が期待されています。世界第5位の人口を有し、BRICsの一角を担うブラジルのポテンシャルに、今後も引き続き期待です。

以上

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