バングラデシュのラマダンについて

イスラム教を国教とするバングラデシュでは現在はラマダンの只中です。日本人でも一度は耳にした事が有るであろうこの期間、日の出から日没までの間に人々は断食を行います。亜熱帯気候のこの国でこの季節外を歩けば汗ばむ暑さですが、彼らは水すら飲む事は有りません。

ラマダン自体は多くの日本人にとっては馴染みのない物です。しかし、バングラデシュに進出している日系企業も、ローカルスタッフを雇用している以上はラマダンと無縁ではいられません。多くの企業は就業時間の変更等を行っています。具体的には断食により昼食が発生しない為、昼休みを設けない。ただし、お祈りの時間は設けるといった感じです。また、業務終了時刻も通常より早くしている企業が多いです。これは、ローカルスタッフ達への配慮は当然として、現地企業や現地の役所等も業務終了時刻が早まっている為でもあります。就業時間中の活動自体は特に通常と変化有りませんが、来客時にもお茶は出しません。逆にこちらが現地企業を訪問すると、日本人である自分にだけはお茶が出ます。もっとも、断食している方々の前でお茶を口にするのは心情的に難しいですが。

ラマダン明けの休暇には、首都ダッカの人たちの多くは田舎へ戻ります。この時期にダッカは人が減る一方で営業していない商店が増えるため、生活する事は逆に難しく感じられます。この時期の休暇を利用して日本に一時帰国する駐在員の方も多いです。
バングラデシュのみならずイスラム教圏内の国に進出する際にはラマダンに対する対応も必須となるので注意が必要です。

以上

バングラデシュ現地法人担当 岩波

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