バングラデシュへの住宅事情について

先日ダッカ郊外のアシュリア地区において、衣料品工場の火災が発生し、既に121人の死亡が確認されています。原因はまだ不明ですが、バングラデシュにおいては配線の手抜き工事などによる電気系統の問題により火災が生じる事が少なくない為、今回も同様の原因ではないかと考えられています。逃げ遅れ、退路を失った従業員の方に多く犠牲が発生しています。

こういった問題は、現地で工場を運営する日系企業のみならず、現地に住居を構えて生活している日系企業の社員全般に起こりかねない問題なのです。と言うのも、現地で生活される日本人の大半はフラットの部屋を賃貸する事になるでしょう。その際に、彼らがまず考えるのが防犯対策です。

泥棒が日本より多いバングラデシュでは、フラットの部屋はどの窓やベランダも頑丈な鉄格子により外部から人が侵入できない造りになっている事が多いです。1階や2階部分はおろか、それ以上の階層においても同様の造りになっています。そうでない部屋は敬遠されます。また、蚊や湿気が多い事も有り、比較的高い階層に住む事を望まれる方が多いです。もっとも、10階以上の階層であってもどこからか蚊は入ってくるものですが。

こうした造りは、防犯に対しては有効かも知れませんが、火災に対しては全く逆効果になるとも言えます。基本火災が発生した際には逃げ道は正面玄関しかなく、さらに高い階層に住む者は逃げ延びるために何層も降りる必要が有ります。バングラデシュで、火災の際に逃げ道を失う人が多発するのは必然ともいえるかもしれません。

これから進出される日系企業の方も、住居を構える際には防犯と火災の対策という、相反した命題と柔軟に対応する必要が有ります。

以上

バングラデシュ現地法人担当 岩波

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