ビザ/労働許可証・一時在留許可証の取得内容と取得時の注意点

労務

皆さん、こんにちは。

ベトナム・ハノイ駐在員の神田です。

 

質問)

ベトナムでのビザ・労働許可証(Work Permit)・一時在留許可証(Temporary Residence Card)の取得内容と取得時の注意点を教えて下さい。

 

回答)

ベトナムでの「ビザ・労働許可証(Work Permit)・一時在留許可証(Temporary Residence Card)の取得内容と取得時の注意点」について複数回にわたり回答していきます。第1回は「一時在留許可証の取得内容」と「一時在留許可証の未取得時に関する注意点」についてです。

 

外国人は取得すべきビザの種類に応じて、「一時在留許可書(Temporary Residence Card、以下「TRC」という)」を申請することができます。まず初めに、一時在留許可証(TRC)を取得するためには「特定のビザ」が存在します。※一時在留許可証(TRC)を取得するための原則として、「就労、商用、投資、親族訪問、教育、報道関係のビザを所有しているかどうか」が非常に大切になります。上記に関連するビザを所有している外国人(日本人)のみ、労働許可証(Work Permit「以下、WP」という)取得後、一時在留許可証(TRC)を取得することができます。

 

※一時在留許可証(TRC)の補足としては、以下のビザのうちの一つを保有していることが一時在留許可証(TRC)取得の前提条件となります。「LV1、LV2、ĐT、NN1、NN2、DH、PV1、LĐ、TT」に該当するビザを所有する外国人(日本人)のみ、労働許可証(WP)取得後に一時在留許可証(TRC)を取得することが可能となります。

 

一時在留許可証(TRC)の有効期間につきましては最長5年間となっておりますが、例外を除いて労働許可書(Work Permit、以下「WP」という)の取得対象者は「労働許可書(WP)の期限内」での取得となります。つまり、労働許可証(WP)の期限が2年間であれば、一時在留許可証(TRC)の期限の2年間ということになります。又、一時在留許可証(TRC)の有効期間中につきましては、ビザの取得が免除されるのも大きなTRCの大きな特徴の一つです。

 

ベトナムのビザは20種類あり、「査証コード」と呼ばれています。査証コードにつきましては下記の例文のように全て「2~3文字の英数字」で表記されています。

 

Ex. 「LD(査証コード)」 → 「就労用ビザ」

 

以下、一時在留許可証(TRC)の有効期限の詳細となります。

 

<一時在留許可証の有効期限>

 

「※最長5年」 ※一時在留許可証(TRC)の期限を指す。

査証コード   入国目的

・DH    研修・学習する者

・DT    外国人投資家、外国人弁護士

・NG3   外国の代表機関、領事機関、国連に属する機関等のメンバー、および その家族、使用人

・LV1   党中央に属する機関、国会、政府、祖国戦線、最高人民裁判所、最高人民検察院、国家監査院、中央省庁、中央直轄市・省の人民委員会 等で就労する者

・LV2   政治・社会組織、ベトナム商工会議所で就労する者

 

「※最長3年」 ※一時在留許可証(TRC)の期限を指す。

査証コード  入国目的

・TT    LV1、LV2、ĐT、 NN1、 NN2、 DH、PV1、LĐ。ビザが発給される外国人の配偶者、18 歳未満の子弟;ベトナム国民の父母、配偶者、子弟である者

・NN1   国際組織のプロジェクト、外国の非政府組織の駐在員事務所の所長

・NN2   外国企業の駐在員事務所、支店の代表者、外国の経済組織、文化組織、その他の専門組織の代表者

 

「※最長2年」 ※一時在留許可証(TRC)の期限を指す。

査証コード   入国目的

・LD    就労する者(就労用VISA)。 注:労働許可書を取得した後、長期間にわたりベトナムにおける企業、駐在員事務所で就労する者

・PV1    常駐するジャーナリスト

 

「※期限の記載なし」 ※一時在留許可証(TRC)の期限を指す。

査証コード   入国目的

NG1    共産党書記長、国家主席、国会議長、首相の招待する人

NG4    外国の代表機関、領事機関、国連に属する機関等で就労する者。これらの機関を訪問する者

DN     ベトナムにおける企業で就労する外国人(出張用VISA)(注:就労期間は 1 ヶ月から 3 ヶ月までの短期)

NN3    非政府組織、駐在員事務所、外国企業の支店、外国の経済組織、文化組織、その他の専門組織の駐在員事務所で就労する者(注:就労期間は 1 ヶ月から 3 ヶ月までの短期)

HN   会議、シンポジウムに参加する者

PV2   短期間の活動を行うジャーナリスト

DL   観光客

VR   親族訪問、その他の目的の者

SQ   同法第 17 条 3 項に該当する者

 

又、一時在留許可証(TRC)未取得時の処罰としては、出入国時に必要なビザを取得していない場合、300万~500万VNDの罰金、日本円に換算すると約2万5千円(2017年3月10日現在の換算レート「1円 = 202VND」)の罰金が科せられます。なお、一時在留許可(TRC)がない状態で(ビザを取得せずに)ベトナムに住んでいる外国人に対しては、3,000万~4,000万VNDの罰金、日本円に換算すると24万円ほどの罰金が科されるので注意が必要となります。

 

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