皆さん、こんにちは!
東京コンサルティンググループベトナム拠点の今堀 柚稀です!
いつもブログをお読みいただきありがとうございます。
さて、今回は「ベトナムの移転価格税制~Part1~」についてお話していこうと思います。
目次
ベトナムの移転価格税制~Part1~
ベトナムの移転価格税制について、2つのパートに分けてご紹介します。
まず、PART1では移転価格税制とは何なのかを簡単にご紹介します。移転価格とは関連会社間(グループ会社等)との取引価格のことをいいます。
この取引価格と第三者との取引価格の差を意図的に大きくし、法人税率の低い国の関連会社にて多額の利益を出すことで、関連会社(グループ会社)全体で税率を低くするなどの操作を防止するために定められている税制が移転価格税制になります。
国外への所得移転を回避するためには、関連会社間の取引価格と独立企業間の取引価格が異なる場合に、独立企業価格に基づいて所得金額を算出して課税します。
2005年12月に財務省令が公表され、翌年2006年1月より施行されました。
さらに当該法令の改定する実務指針として2010年6月にはCircular66/2010/TT-BTCが、2017年5月にはDecree20/2017/ND-CPおよびCircular41/2017/TT-BTCが発行されています。
〈関連者の定義〉
移転価格が適用される関連会社について、条文上その範囲が広く設定されています。
・一方の会社が他の会社の持分を直接または間接的に25%以上保有している場合
・共通の第三者がそれぞれの会社の持分を直接または間接的に25%以上保有している場合
・一方の会社が直接または間接的に保有するほかの会社の持分が10%以下であっても、その会社にとって唯一の主要株主である場合
・一方の会社の役員の過半数が他の会社より出向している場合
・一方の会社が他の会社の有する重要な無形資産を保有している場合
以上5つのような例があげられます。
移転価格税制はOECD(経済協力開発機構)で法整備されていますが、ベトナムはこのOECDの加盟国ではありません。
しかしOECDのガイドラインを基本的に適用し、基準を満たす企業に対して、移転価格文書の作成義務があります。
作成義務があるにもかかわらず作成していない場合、税務調査等で多額の追徴課税を受けてしまう可能性がございます。
次回はこの移転価格文書についてより詳しくご紹介します!
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今堀 柚稀
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